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ソフトの“逆境弾男”リチャード絶叫アーチ CS争う楽天と執念ドロー 工藤監督「打者が意地見せた」

2021年10月06日 05:30

野球

ソフトの“逆境弾男”リチャード絶叫アーチ CS争う楽天と執念ドロー 工藤監督「打者が意地見せた」
<ソ・楽>8回無死、左越えに同点ソロを放ったソフトバンク・リチャードはナインの出迎えを受ける(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク7ー7楽天 ( 2021年10月5日    ペイペイD )】 ソフトバンクは5日、3位の楽天に7―7で引き分けた。中村晃外野手(31)の初回満塁弾でリードしながらリリーフ陣がつかまり敗戦ムードが漂い始めた6―7の8回。リチャード内野手(22)が豪快な6号同点ソロを左翼席に叩き込んだ。引き分けは今季20度目でプロ野球新記録。楽天とは3ゲーム差のまま。クライマックスシリーズ(CS)進出へ負けられない一戦で、なんとか踏みとどまった。
 打った瞬間に絶叫した。スタンドインを確信したリチャードは「おら~」と声を発してダイヤモンドを駆け抜けた。負けられない一戦で起死回生弾。ベンチのナインにもみくちゃにされた。

 「打者有利のカウントから強いスイングを心掛けました。同点のホームランと、いい結果になって良かったです」

 中盤までリードしながら板東、岩崎、甲斐野らリリーフ陣が打ち込まれた。今季、何度も目にしてきた敗色ムードの展開になった6―7の8回先頭。内寄りの直球を振り抜いた打球は左翼席上段に突き刺さる6号同点ソロ。出場5試合ぶりの一発で自身のミスも帳消しにした。

 5―4の6回無死二塁。送りバントを2球失敗し、3球目を空振り三振。「ランナーを送ることができず、流れを悪くしてしまった。なんとか取り返そうと打席に入った」と悔しさをバットにぶつけた。

 チームの逆境を跳ね返す力がある。9月26日、日本ハム戦は同点の7回に決勝弾。同月5日オリックス戦もプロ初本塁打となる満塁弾は逆転弾だった。今季2軍戦では12発で、2年連続の本塁打王を獲得。持ち味のパワーは1軍の勝負どころで発揮できる「本物」となった。

 勢いをつけたのは選手会長の一振りだ。0―1の初回、2死満塁。中村晃が「いいスイングで仕留めることができた」と5号満塁弾。18年4月1日オリックス戦以来3年ぶりのグランドスラムとなった。チームとしては1日オリックス戦の5回に挙げて以来、23イニングぶりの得点。いつもはクールな男だが、この日は笑顔がはじけた。

 4試合ぶりの2桁安打で意地を見せた打線に工藤監督は「良く引き分けた。打者が意地を見せてくれた」と称えた。CS出場を争う3位楽天とは3ゲーム差のまま。「最後の最後まで諦めない野球を続けていくことがプロ野球選手の義務。そこだけは揺るがず戦っていきたい」。負ければ崖っぷちになる試合を何とか引き分けに持ち込んだ。(福井 亮太)

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