【スポニチスカウト部(3)】駒大の右腕・福山優希 最速148キロ、6種の変化球操る技巧派右腕

2022年03月18日 06:30

野球

【スポニチスカウト部(3)】駒大の右腕・福山優希 最速148キロ、6種の変化球操る技巧派右腕
ストイックに野球に取り組む駒大・福山 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第3回は駒大の右腕・福山優希投手(21)。昨年の春秋リーグ戦の全22試合登板を果たした鉄腕は、野球にひた向きに取り組む姿勢を貫き、大学ラストイヤーに臨む。
 昨年のリーグ戦ではフル回転した福山だが、この正月も地元の青森県に帰省することもなく、練習を続けた。ストイックに自分自身と向き合う中でも、冷静さは忘れない。

 「練習のためにやってるわけじゃなくて、結果が出ないと。このやってることが果たしてどうなのかは分からないので。今の段階ではよかったとも、よくなかったとも言えないですね」

 この冬が大学最終年への勝負の時期と位置づけた。球威やさらなるスタミナ強化を求め、食事やトレーニングで体重の増加に取り組んだ。昨秋リーグ戦終了後から体重は5キロ増の76キロ。「開幕までに78キロにして、そこから1キロ減量して77キロぐらいでいきたい」と青写真を描く。

 最速148キロの直球と6種類の変化球とのコンビネーションが魅力。もちろんプロも視界に入るが「春と秋の結果がどうなるかも分からない。プロは目指しますけど、とにかく一日一日大切に過ごしていかないと次のステージもない」と浮足立つことはない。

 読書好きな一面もあり、寮の部屋の本棚には自己啓発系を中心に約30冊の本が並ぶ。「野球ばっかりやってると他の情報に触れる機会がない。本からいろんな情報を取り入れるのは新鮮な感じ」と野球関連以外の知識も得ることで人間的な成長につなげている。

 大学入学後から読書を始めたが、これは尊敬する大倉孝一監督の勧めから。年末年始も年越しそばや雑煮を一緒に食べるなど、多くの時間をともにした。「1年の時から、結果が出なくても面倒を見ていただいた。“監督のために”という言い方は好まれないと思いますが、自分にはそういう感覚があります」と福山。まずは14年秋以来のリーグ戦優勝に照準を合わせる。(田中 健人)

 ☆福山 優希(ふくやま・ゆうき)2000年(平12)6月23日生まれ、青森県出身の21歳。1メートル76、76キロ 右投げ右打ち。

 ☆球歴 桔梗野小4年に小学校の野球部で始める。同小6年夏から中2夏までリトルリーグの「長者レッドソックス」、中3時は「八戸東シニア」に所属。八戸学院光星では3年夏の甲子園に出場し、2回戦まで進出した。

 ☆球種 カットボール、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット、ツーシーム。

 ☆好きな有名人 ソフトバンクの孫正義オーナー。朝と寝る前にYouTubeで同オーナーの講演の動画を見るのが日課。

 ≪キングダムに学ぶ≫ストイックに野球に取り組む福山だが、空き時間は中国の春秋戦国時代を舞台にした人気アニメ「キングダム」にはまっている。好きなキャラクターは秦の将軍「王翦(おうせん)」。「王翦将軍は“勝てる戦しかしない”という言葉にもあるように、ちゃんと準備をしてる。状況とかを判断して戦いを進めるので、そういう意味では勉強になって面白い」。福山が感じている魅力は、野球への考え方の参考にもなるという。原作漫画ではなく、テレビアニメから見始めているが、大学OBの西武・若林も同作のファン。「“漫画読んだほうがいいよ”って言われてます」と笑顔で明かした。

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