阪神・岡田新監督 こだわる「セカンドは大事」守備力の向上こそ最優先事項

2022年10月24日 07:00

野球

阪神・岡田新監督 こだわる「セカンドは大事」守備力の向上こそ最優先事項
05年、二塁は藤本が92試合に先発出場し、チームは139の併殺を成功させた Photo By スポニチ
 【連載・岡田の考え(7)】監督に復帰した岡田彰布がこだわりを持つポジションが二塁だ。阪神が日本一に輝いた85年、監督の吉田義男は「岡田は日本一のセカンドになれる」と外野からのコンバートを決断した。83年に右大腿(だいたい)二頭筋断裂で負傷し、84年は主に右翼を守った岡田に、センターラインの要を期待した。
 85年春の安芸キャンプでは、多くの時間を遊撃・平田勝男との守備のコンビネーション確認に費やした。連日、サブグラウンドでお互いの守備範囲を確認し、併殺プレーの完成度を高めた。どのタイミングで、どんな送球をすべきか。1カ月、徹底して取り組んだ。

 計219本塁打で強力打線のイメージが先行する85年。吉田は「センターラインを中心にした野球」を軸にし、掛布雅之も「日本一になれたのは堅い守りがあったからこそ」と語った。岡田も守備による貢献を最優先にしていた。

 「野球はディフェンスが第一。ゴロをしっかりとアウトにする。これに尽きる。ファインプレーに期待したらあかん。投手が打ち取った打球をしっかりとアウトにすること。これだけよ」と持論を語り、「セカンドは大事よ」と選手としても指導者としても二塁を重視してきた。

 岡田の下で、リーグ優勝した05年は遊撃から二塁に回った藤本敦士が92試合にスタメン出場し、チームは139の併殺プレーを成功させた。併殺をしっかりと取れば、相手の流れを切ることができる。逆に併殺崩れで走者を残すと、2死一塁からでも相手の攻撃はつながりやすいというのが岡田の考えだ。

 今季の阪神は二塁を固定できなかった。スタメンは糸原健斗が54試合、山本泰寛が40試合、木浪聖也が19試合、小幡竜平が16試合、高寺望夢が7試合、熊谷敬宥が6試合、植田海が1試合と7選手が起用された。8月26日の中日戦では7回から佐藤輝明が公式戦では初めて二塁に入った。打力で二塁を人選していることを象徴するシーンだった。

 二塁が不安定だからリーグワーストの86失策につながったというのが岡田の分析にはある。秋季練習から守りの野球の構築を第一に取り組む。内野守備走塁コーチに馬場敏史を招へいし、右の二塁手として日本ハムとのトレードで渡辺諒を獲得。「誰とはまだ決められないが、いろんな可能性がでてきた。だいぶ違う戦力アップになるんじゃないか」と語った。遊撃のレギュラーとなった中野拓夢も例外ではない。二遊間をバット基準ではなく、グラブ基準で判断していく。=敬称略=(鈴木 光)

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