イチロー氏に握り教わった高校生右腕「夢のよう」 チームにも早速効果、主将感激 静岡・富士高で指導
2022年12月04日 19:22
野球
右下手投げの投手には「俺、嫌いなピッチャー。面白いです」と言い、投球練習後には近寄って「真ん中付近に投げてサイドに散らばっていくイメージで練習したらいい。大胆にストライクを取る練習を」とアドバイスした。
また、本格派右腕でエースの水越壱成投手に対しても打席に立った。左打者への内角球が指にかかっていたように感じたようで「座らせて投げる前、左のインサイド(をターゲット)にして、球が指にかかる感触が出てから座ったらいい。ここ(左のインサイド)で感触をつかんでほしい」と助言。「冬の間に取り組んでほしいのはここ(外)に落ちていくツーシームがあったらいい。トライしてみて。幅が広がる」とツーシームの握りを教えていた。
水越は「夢のような時間で頭は真っ白になったんですけど、その中でも、何を聞けばいいのかポンポン出てきたので悔いのないように聞きました」と夢見心地を必死で抑えながら、吸収しようと質問した。「言葉でも示してくれて、その後、体でも示してくれたので、それがうれしかった。今日のピッチングで、こういうふうにするともっと良くなると教えてもらって、すごいうれしかった」と感激しきり。
中澤樹主将も「まだ気持ちが追い付いていない部分もあるんですけど、本当に高校野球の中でも、人生の中でも間違いなくいい思い出になりました」と興奮が冷めず。「小さな体で飛ばすにはどうしたらいいか聞いて。そこで体の開きとか、我慢して打てば飛ぶよと教えてもらった。イチローさんにバッティングを教えてもらえることなんて、ほとんどいないと思うので絶対に忘れないでやっていきたいなと思いました」と胸に刻んだ様子だった。
チームには早くも効果が出た。この日、2日間の指導の最後となったイチロー氏のノックでは全員で大声を出し、ユニホームを泥だらけにして食らいついた。「まず、チームとしての課題があまり元気がない、というところで、秋の大会や練習試合でも負ける時って、雰囲気が悪くて負ける。そこで、今日みたいな雰囲気でできた経験がほとんどなかった。そこはイチローさんに変えてもらったので、自分たちで変えた、というところもあると思うので、ここからイチローさんがいなくても、チームとしてそういう雰囲気つくりをしていきたいと」と実感していた。
イチロー氏と接し「野球に対してクールで寡黙でというイメージだったんですけど、もちろん、野球に対して取り組む姿勢はものすごくて、勉強になったんですけど、野球じゃないところですごい明るくて、声も一番、大きい声を出していたり、そういったイメージが真逆っていいくらい変わりました」とその熱に驚いたようだ。
稲木恵介監督も「選手も、あれ?自分てここまで出せるんだ。こんな自分があったんだ、と感じられた2日間だったと思う。僕も選手たちの新たな一面が見られた。自分の持っている力をナチュラルにしっかり使えるように、選手たちと取り組んでいきたい」と感謝していた。
▽イチロー氏のこれまでの高校指導
☆20年12月2~4日 智弁和歌山
高校球児を初指導。フリー打撃では自らバットを握って19本の柵越えを披露。日本ハムからドラフト4位の細川、広島から同4位の小林も参加。
☆21年11月28、29日 国学院久我山
同年1月に当時の2年生部員全員から届いた手紙に心を突き動かされた。走塁の打球判断では「跳びながらリードを取ることはしない方がいい」と助言。
☆21年12月2、3日 千葉明徳
甲子園出場経験がなく、過去最高の「8強」の壁を越えたいとの同校理事長の熱い思いが届いた。一塁から二塁に向かって2本の白線をまっすぐ引き「一歩目の切り方」を伝授。
☆同年12月11、12日 高松商
同年夏の甲子園3回戦で智弁和歌山に敗戦直後、長尾健司監督が「うちにもイチローさん、来てほしいですね」と語ったことがきっかけ。今秋に巨人からドラフト1位指名を受けた当時2年で主将の浅野がキャッチボール相手を務めた。
☆22年11月26、27日 都新宿
難関大学合格者を多数出す進学校。小学生を対象とした地域での野球普及活動にも熱心に取り組んでおり、イチローさん自身の意思で足を運んだ。実演しながら打撃練習で指導し、外野ノックでともに汗を流した。2日目は外野へ向かってのフリー打撃で105スイング。内野ノックを170球浴びせ、走塁練習で締めた。
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