ロッテ安田も笑顔で発奮!吉井監督のジョークを交えた人心掌握術

2023年02月16日 08:45

野球

ロッテ安田も笑顔で発奮!吉井監督のジョークを交えた人心掌握術
入団会見を行なったポランコと吉井監督(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 ロッテ・吉井監督の周りには、いつも笑いがあふれている。真面目な話でも、固い雰囲気にならないようにと、緩やかな空気をつくる配慮も感じる。
 現役引退直後のコーチ時代から、吉井監督を見てきただけに、立場が替わって、どんな監督ぶりなのか、個人的にとても興味があった。昨年限りでロッテ担当を外れ、さまざまな球団を巡る遊軍記者となったが、ようやく2月14日から、ロッテの2次キャンプを訪れた。

 その日は北谷で中日との練習試合。球場に隣接するサブグラウンドで、吉井監督を発見したので、まずはあいさつをしようと近づこうとすると、指揮官の方から近づいてきてくれ、「あれ、どうしたん?(担当から)追い出されたのに!?」と笑顔で出迎えてくれた。

 なぜだろうか、毒のあるジョークもどこか心地よい。

 試合後は4番で中越え適時三塁打を放つなど、2安打をマークした安田の囲み取材に入った。「吉井さんからはいつもハッパをかけられている」と言っていた。吉井監督は就任会見から「監督と呼ばれるとくすぐったい」などと言っていたが、今も選手たちから「吉井さん」と呼ばれていることを再確認した。

 なぜだろうか、これもうれしい出来事だった。

 では、安田にどんな内容のハッパを掛けられているのか。これも聞いてみた。「“打てなかったら8番にするぞ”とか“今日はまぐれが2本続いたな”と言われた」と教えてくれた。実際に2月11日の台湾・楽天戦では4番を任され、無安打に終わると、翌12日の同戦は8番だった。

 それでも、吉井監督は「安田は打点を稼いでくれる打者。8番はシャレです」と、その理由を説明してくれる。このコメントも、新聞やネットニュースなどで、安田もきっと目を通しているだろう。

 安田はとても真面目で、責任感も強い。一方で、優しすぎる性格もあるような気がする。そんな4番候補だからこそ、吉井流の話術でプライドをくすぐりながら、刺激と危機感を与えようとしているのだなと感じた。

 球場から選手宿舎に戻ると、新外国人ポランコの入団会見にも同席していた。

 メジャーでも活躍した吉井監督は英語だけでなく、スペイン語にも慣れている。ポランコがスペイン語であいさつのスピーチをすると、隣に通訳がいるのに、指揮官が先に「僕はえーっと…」と勝手に通訳しようとして会場を笑いに誘った。

 これにはポランコは「監督はスペイン語も英語も話せるので、コミュニケーションがイージーだと思う。いい環境で野球ができる」と喜んでいた。

 16年前、吉井監督と初めて会ったときに、「なにか、いらんことを言ったら注意してな!」と頼まれたが、どんどん、思ったことを言ってほしい。今の担当記者はとても楽しそうに取材をしているように見えた。(記者コラム・横市 勇)

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