阪神・岡田監督の“ムチ”「攻め方違ってくる」に中野がサヨナラ打で呼応 見逃しストライク1球もなし

2023年04月19日 05:15

野球

阪神・岡田監督の“ムチ”「攻め方違ってくる」に中野がサヨナラ打で呼応 見逃しストライク1球もなし
9回2死満塁、逆転サヨナラ打を放ち、ガッツポーズの中野(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2-1広島 ( 2023年4月18日    甲子園 )】 阪神・中野拓夢内野手(26)が18日の広島戦でプロ初のサヨナラ打を放ち、チームの連敗を2で止めた。0―1の9回2死満塁で、広島の守護神・栗林から逆転二塁打。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝トロフィー展示が甲子園で始まった日に、侍戦士対決を制した。チームは今季初の逆転サヨナラ勝ち。首位攻防第1ラウンドを制し、DeNAと同率の首位に再浮上した。
 逃げることもできたが、中野は全身でナインの“歓喜”を受け止めた。プロ初のサヨナラ打で初体験となったウオーターシャワー。熱を帯びた体に冷たい充実感が広がった。

 「前に近本さんがサヨナラを打った時に逃げていたので、自分も逃げようかなと思ったけど、ちょっと浴びてみたい気持ちもあった。気持ち良かった」

 チームも、力投する先輩右腕も救った。0―1の9回2死満塁で巡ってきた第5打席。WBCで同僚だった広島・栗林と対峙(たいじ)して3球で追い込まれたが、粘り腰を見せた。1ボールを挟んで4球ファウルで食らいつき、9球目のフォークを捉えた打球は前進守備の左翼手の頭を越えていった。

 「粘るというより前に飛ばなかった…」。そう言って苦笑いを浮かべた殊勲者がチームの連敗を2で止め、9回1失点で黒星が付くところだった西勇に今季初勝利を届けた。

 指揮官の“ムチ”も効いた。試合前に野手ミーティングを実施した岡田監督は「前(前回対戦で)やられたら、今度は向こうもやり返そうと思って配球、攻め方も違ってくる」と思考の切り替えを促した。今季2カード目となる広島が変化してくることを予想。中野も「最近少しボールを見てという形だった。“ストライクポンポン来るから積極的にいけ”という言葉をいただいて」と呼応し、サヨナラの場面でも見逃しのストライクは1球もなかった。

 「正直(この夜の)最後の打席よりWBCの方が緊張してましたし、良い緊張感で良い経験ができた分、こういう場面で自分の打撃ができた」。頂点まで駆け上がった侍ジャパンで極限の空間を体感した男は、そう簡単に押しつぶされない。

 1日のDeNA戦(京セラドーム)以来、今季2度目の劇勝で、逆転サヨナラ勝ちは今季初。客足の伸びにくい火曜日のナイターにもかかわらず、4万人超えの観衆が埋めた聖地を沸かせた。早くも栗林に2敗目を付け、岡田監督は「大きいよな。(4日の敵地での)広島もそうやったしな」と、かみしめた。

 「チームとして良い流れ、良い状態で迎えられると思うので、明日以降もピッチャーに負担をかけないように頑張っていけたら」と中野。思い出した「積極性」で打線を引っ張る。(遠藤 礼)

《甲子園平日火曜ナイター4年ぶり4万人超え》
 ○…18日の阪神―広島戦(甲子園)の観衆は4万0152人。週の前半で客足の伸びにくい、平日火曜日のナイターで4万人超えは、新型コロナ禍前の19年9月24日、巨人戦の4万6551人以来4年ぶり。今季の甲子園は4試合全て観衆4万人超えで、1試合平均4万1925人。ちなみに入場制限が解除された昨季は、甲子園63試合中、大台突破は19試合で1試合平均3万7354人。今季、平均でも4万人超えなら19年の4万4172人以来になる。

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