広島・栗林 守護神完全復帰へ北の大地で一から出直す 新井監督との約束果たすためにも…

2023年06月06日 06:00

野球

広島・栗林 守護神完全復帰へ北の大地で一から出直す 新井監督との約束果たすためにも…
広島・栗林 Photo By スポニチ
 広島・栗林良吏投手(26)がチーム内競争を勝ち抜き、守護神として返り咲く決意を示した。開幕から本調子を欠く右腕は、離脱から復帰2戦目となった4日のソフトバンク戦でも敗戦投手に。それでも「目指すべき場所は9回」と言い切り、完全復活への意欲は失っていない。6日からの日本ハム3連戦(エスコン)を前に、5日は首脳陣やナインとともに空路、プロ初の北海道遠征へ出発。北の大地で一から出直す。
 確かに不運ではあった。2番手として1―0の6回に救援登板した4日のソフトバンク戦。3失点し、敗戦投手となった試合後、栗林は言い訳を一切せず前を向いて言った。

 「それが実力。運がなかった…で(済ませて)は終わってしまう。粘り切れなかった現実を受け止めたい」

 記録に残らない味方の拙守と、高いバウンドの投ゴロが強い日差しにさえぎられて視界から消える不運が重なり、いきなり無死一、三塁。本調子の右腕なら、絶体絶命のピンチでも抑えてくれる――。そんな期待は打ち砕かれ、以降も連打を浴びた。

 新井監督と交わした“約束”がある。5月30日の昇格直前、指揮官は栗林と電話で対話した。右内転筋筋挫傷で同1日に離脱した際「戻ってくる場所は9回だから」と伝えており、永川2軍投手コーチからの「良くはなっている。ただ、クローザーとしてはフォークの調整がもう少し必要」との報告を踏まえて、意向をじかに確認する意味もあった。

 栗林自身、復調途上を自覚していた。そこで指揮官は(1)2軍で調整を続け、フォークの精度を上げてから抑えとして戻る(2)1軍でターリー、島内、矢崎の輪に入り、投げながら状態を上げる…の2パターンを打診。右腕が出した答えは「1軍で競争し、結果を出して抑えの座をもう一度勝ち取りたい」だった。

 栗林は改めて言う。

 「自分が決めることではないですけど、目指すべき場所は9回。そこは変わらずやっていきたい。信頼をもっと得られないと戻れないので、結果を出すだけかなと思います」

 復帰初戦は上々だった。2日のソフトバンク戦で7回に救援し、打者4人で無失点。2戦目で、しかし、つまずいた。過去に登板のない北の大地で、一から出直す。登板を積み重ねながら信頼を取り戻し、絶対的な守護神として完全復活へ。取り組むべきことは分かっている。

 「自分は2年間、フォークで戦ってきた。もっと自分のイメージ通りに投げられたり、相手が嫌がる球になれば、結果はおのずと付いてくると思います」

 プロ2年間で68セーブの実績を持つ右腕。守護神としての完全復活を信じて待とう。(江尾 卓也)

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