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ドジャース大型補強を妬む他球団のファンには朗報 スーパーチームが世界一になる保証はなし

2023年12月23日 11:21

野球

ドジャース大型補強を妬む他球団のファンには朗報 スーパーチームが世界一になる保証はなし
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 スポーツ専門局「ESPN」電子版のジェフ・パッサン記者が、ドジャースが莫大な補強でスーパーチームになり、他球団の妬みややっかみを買うだろうが、野球の場合、それで世界一になれるとは限らないと指摘している。
 27回の世界一を誇るヤンキースは、ペナントレースに勝てばワールドシリーズに出られた時代に王朝を築き上げたが、ポストシーズンの枠が広がり、とりわけ1995年にワイルドカードのチームが出られるようになってからは、公式戦で一番強いチームがポストシーズンでも頂点に立つとは限らなくなった。

 90年代半ばから終盤まで強かったインディアンスはその時期一度も世界一になれず、ブレーブスも91年から2005年まで14年連続地区優勝を成し遂げながら、世界一はたった1度だけだ。

 第4Qになればマイケル・ジョーダンのようなポイントゲッターにボールを委ねられるNBA、試合を通して一人のQBが攻撃をコントロールするNFLとは違い、野球はどんなに良い打者でも、打順で自分の番が来るまで待たねばならない。攻撃の流れが悪いと点を取れない。

 米国の4大スポーツでサラリーキャップのない唯一のリーグで、ゆえに球団ごとのサラリー格差は拡大する一方だが、21世紀になってからはワールドシリーズ連覇は一度もない。過去10年で14チームがワールドシリーズに出て、9チームが世界一と見事にばらけている。

 ドジャースは21年、強力なチームを作った上に、トレードデッドラインでナショナルズからトレー・ターナー遊撃手とマックス・シャーザー投手を獲得、公式戦で106勝を挙げた。しかしながらナ・リーグ優勝決定シリーズでブレーブスに敗退した。22年は公式戦で111勝だったが、地区シリーズでパドレスに番狂わせ、今季も100勝したが、サラリー総額が半分で公式戦84勝のダイヤモンドバックスにスィープされた。

 ドジャースは過去10年、30球団で選手のサラリーに最も多くのお金を費やし、同時期2位のヤンキースよりも1億ドル以上も使った。この2球団の10年間のサラリー総額は足すと約51億ドルにも上る。しかし、その期間ドジャースが世界一になったのは1度だけで、ヤンキースはワールドシリーズにすら出ていない。

 この10年でオフにFA市場で一番多くお金を使い、世界一をつかんだのは20年のドジャースだけだ。むしろ失敗例の方が多い。

 1年前、総額8億9430万ドルの補強をしたパドレスが、今季82勝80敗で終わり、ポストシーズンにも勝ち進めなかったのは記憶に新しい。史上最高の開幕時のサラリー総額3億5000万ドルのメッツも77勝85敗だった。

 ドジャースはアマチュアドラフトを上手に使い、育成システムは群を抜き、アナリティックやテクノロジーも有効活用する。最高の球団だ。しかしながらポストシーズンは今や12チームの構成で勝ち上がるのは簡単ではない。世界一の座は保証されてはいない。

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