【WBC世界フライ級タイトルマッチ 王者ファン・エルナンデス《12回戦》同級1位・比嘉大吾 ( 2017年5月20日 有明コロシアム )】
“島人(しまんちゅ)の宝”がカンムリワシの背中を追う。沖縄出身の比嘉は「1ラウンドから自分のボクシングをして盛り上げる」と瞳を輝かせた。武器は12連続KO中の硬い拳。所属ジム会長で、日本記録の世界王座13連続防衛記録を持つ具志堅用高氏が「(4階級上の)フェザークラス」と評する破壊力だ。
中3時に井岡一翔の世界戦中継で流れた同会長のKOシーンに目を奪われ、高校からボクシングを開始。デビュー戦前には会長の髪形をまねてパーマにしたが、アトピー性皮膚炎で頭部がただれ断念した。弟子に愛される会長も「タイのくそ暑い中でユースのベルトを獲った時、これは世界いけると思った」と世界奪取を確信。沖縄出身ではWBA世界スーパーライト級の平仲明信氏以来の世界王者へ。レジェンドの秘蔵っ子は「打ち勝つ」と力強く宣言した。
▼比嘉 大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日、沖縄県浦添市出身の21歳。宮古工高卒。アマチュア戦績36勝8KO8敗。獲得タイトルはWBCユース・フライ級王座と東洋太平洋フライ級王座。右ファイター。