村田 5・20世界初挑戦決定!「勝てば、本物だと証明できる」
2017年04月04日 05:30
格闘技
![村田 5・20世界初挑戦決定!「勝てば、本物だと証明できる」](/battle/news/2017/04/04/jpeg/20170403s00021000430000p_view.jpg)
村田「もう練習も、それに向かってずっとやってきている。試合から逆算してトレーニングメニューも立ててやっているので、意外と落ち着いてます。思ったよりは、いっぱいいっぱい感はない。4年はある意味、早く感じてます。いい時期、悪い時期があって、ここまで来た。いいだけではなく、遠回りと思える道も歩いてきたので、人生的にもいい期間だった」
――遠回りしたのがよかった?
「イチローさんが“遠回りは一番の近道だ”と言っていたように思う。遠回りしたからこそ、もう一度その道を歩まなくてもいい。今思うと、あんな悪い状態で、15年までよく負けなかったなと。自分でも弱っちいなあと思っていた。こんなのが本当に金メダリストかよって。でも、負けなかった。ラッキーでした」
――昨年の4試合全KO勝ちで手応えを得た。
「12月の試合を終えてやってもいいという気持ちになっていたので、本当にいいタイミング。今までは、自分が本物かどうか分かる試合ではなかった。世界戦に勝てば、周りもそうだけど自分自身に対しても本物だと証明できる。その意味でもエンダムは申し分ない相手。彼に勝ったら誇りを持って“僕は強いんだ”と言っていいと思う」
――世界戦から逆算した練習とは。
「スパーリングを始める前に2週間、基本的なスタミナを上げる時期をつくりました。心肺機能の部分ですね。ピリオダイゼーションっていうんですけど、練習プランをつくってシステム化するんです。そして、ピリオドをつける、いわゆる時期分けです。今はこういうことをする時期、スパーリングが始まったらこう、スパーをやるにしても試合日から逆算して、この日に合わせて練習量を落とすとか。考えてやっています」
――ここまで細かくやったのは初めて。
「初めてですね。走り込みキャンプの時に中村さん(正彦フィジカルトレーナー)と話して、やってみようかという話になったんです。凄く勉強になりました。たとえばボクサーは3分動いて1分休むサイクルじゃないですか。そのサイクルで、トレーニングの全てを考えちゃってるんですよね。それで3分間ハイパワーで動けるかというと、そうではない。ならば強度を高めるために、3分―1分という区切りを、トレーニングの中ではなくしてもいいわけですよ。たとえば1分間、本気で何もかも使って、それがどれぐらい回復するか。3分―1分にとらわれず、どれだけ高強度のトレーニングをできるか、というのをやってきました」
――その練習はどのぐらいの時間やる?
「高強度のトレーニングをしている時間だけなら、インターバルも入れて20分もあれば十分。むしろ、それ以上できないです。きつくて。そりを20秒押して、帰ってきて、30秒休憩して、それを8本。30秒自転車をこぎ続けて、20秒休憩して、それを3本とか。やる前に心の整理をつけないと嫌になりますね(苦笑)」
――ここまでやろうとなったのはなぜ?
「元々そういうのをやりたかったんです。たまたま、キャンプで中村さんと1対1でゆっくり話す機会があったので。だから、次が世界戦ではなかったとしても、こういうトレーニングプランを組んでやっていますよ。たまたま、このタイミングでそういう時期が来たってだけで」
――いい巡り合わせ。
「そうですね。メンタル的にもそれだと楽ですね。ボクシングの練習って、試合へ向けて強度を上げていくじゃないですか。でも、コンディションも比例して上がるかというと、そうじゃなくて、練習すればするほど疲れたり。そうなると選手は不安になるんですよ。だから、ダメな時期があっても“疲れているからこんなもの。最後に調整すればいい”とプランニングしていくと、ちょっと不安がやわらぐ。ピリオダイゼーションって、サッカーや陸上はとっくの昔から当たり前の話らしいですけどね。サッカーは日韓W杯ぐらいから、そんなことをやってると思う。ボクシング界は15年遅れてます」