ひげの村田が世界動かす!金メダリスト世界初ミドル級王者へ験担ぎ
2017年05月20日 05:30
格闘技
プロ13戦目でミドル級世界王者となれば主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)での最速記録だが、12戦以上に中身の濃い4年間を送った自負があった。プロデビュー前、帝拳ジムの本田明彦会長は村田に告げた。「他の選手より3倍のスピードで成長しないといけないぞ」。欧米人の体格向きで日本人にとっては世界挑戦すら難しいミドル級。本来ならじっくり実力をつけるべきだが、日本で五輪メダリストの“賞味期限”は短い。年齢的にも猶予は許されない状況で、試行錯誤しながらわずか4年で大舞台を実現させた。
ファイタースタイルでの戦い方に迷いはない。だからこそ、計量でも落ち着き払っていた。2人が顔を突き合わせる「フェースオフ」では15秒後にアッサン・エンダム(33=フランス)が目をそらしたが、すぐに自ら握手を求めた。一方で「(相手は)多少体を絞ったかなと。体は全体的に僕の方が大きかったと思う」と観察も怠らなかった。「僕は結構ビビリで、試合で開き直るタイプ。今からこんなに落ち着いていいんですかね?」との自問が成長の証だ。
日本人の五輪メダリストは村田を含めて5人だが、世界王者はいない。ベルトは日本ボクシング界の悲願だ。世界を見てもフロイド・パターソン(米国=ヘビー級)やマイケル・スピンクス(同=ライトヘビー級、ヘビー級)ら階級を変更した選手を除き、五輪のミドル級金メダリストでプロでもミドル級の世界王者となった例は皆無。村田が勝てば、ボクシングが五輪種目に採用された1904年セントルイス大会以来113年の歴史を塗り替える快挙となる。
計量後はすっぽんなどのスープ、夕食はうなぎを食べて栄養補給した。ひげは伸ばしたまま試合に臨むという。「最近、試合の時はこれで勝っているので。ちょっとでも(自分を)守ってくれる気がしませんか?験担ぎの類いです。おばあちゃんには“何で汚い顔で出るの”と言われるんですけど」。普段と同じように振る舞い快活に笑う姿に、重圧は感じられなかった。
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