岩佐、王座陥落…最強挑戦者に完敗「結果が全て。これが現実」
2018年08月17日 05:30
格闘技
「負けたのは分かっていた。これが現実。悔しいと言えば悔しいけど、リングの上では結果が全て。僕が大きな壁を乗り越えられる人間じゃなかった」
プロ2敗を喫していたサウスポーにまたも敗れて王座陥落。1回こそ右フックをヒットさせ、ドヘニーをぐらつかせる場面もあったが、描いていた展開とは違っていた。「もっとガンガン来るイメージだったけど、カウンター狙いを徹底してきた。俺の苦手なことをやってきた」と岩佐。勝負の鍵に挙げていた右ジャブが当たらず、本来のスタイルを発揮できないままズルズルと相手のペースに引き込まれた。有効打は多くはなかったが、ジャッジ3者はいずれも挑戦者を支持。完敗だった。
元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏のような「愛されるチャンピオン」が目標だった。そのために何をすべきか?岩佐は長期防衛を掲げ「できることを全てやるしかない」と心に決め、練習内容や体調管理法などを見直した。パワーもスタミナも自信を持って臨んだはずの一戦だったが、結末は最悪だった。
小林会長は「(ポイントで)負けているのに打ち込んでいく勇気がない。判定でもKOでも負けは負けなのに…岩佐に必要なのは覚悟」と切り捨てた。今後について本人は「今日の出来に自分でもガッカリした。また次とは言えない」と含みを持たせた。勝てば可能性があった海外進出の夢も消滅。岩佐のチャンピオン・ロードは「卒業したい」と話していた後楽園ホールで途切れた。
◆岩佐 亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日生まれ、千葉県柏市出身の28歳。中2でセレスジム入門。習志野高で高校3冠などアマ66戦60勝(42KO・RSC)6敗。08年8月プロデビュー。11年11月に日本バンタム級、13年12月に東洋太平洋同級王者。15年6月、IBF世界同級暫定王座決定戦でハスキンス(英国)に6回TKO負け。17年9月、小国以載に6回TKO勝ちでIBF世界スーパーバンタム級王座獲得。身長1メートル71.5、リーチ1メートル81の左ボクサー。