デストロイヤー死す…必殺「足4の字」、白覆面の魔王 プロレスブーム巻き起こす
2019年03月09日 05:30
格闘技
白地に赤の縁取りを付けたマスクをかぶった「覆面レスラー」として活躍。初訪日は1963年で、「白覆面の魔王」とも呼ばれ、必殺技は足4の字固め。力道山戦のテレビ中継の視聴率は64%を記録することもあり、空前のプロレスブームを巻き起こした。
引退後は日米のレスリング選手を育成し、東日本大震災の被災者支援にも取り組んだ。「日本は戦争した敵国で憎んでもいた。でも日本と恋に落ちてしまった」。昨年2月、旭日双光章の受章を記念したバファローでの式典で、感慨深げだった。東京五輪に合わせ訪日へ意欲を見せていたが、かなわなかった。
▽足4の字固め プロレスの関節技の一つで、英語名は「フィギュア・フォー・レッグロック」。技をかけたときに相手の両足が数字の4に見える形で交差し、ロックすることから名付けられた。バディ・ロジャーズの得意技であったが、ザ・デストロイヤーによって一般的に知られるようになった。日本勢ではアントニオ猪木や武藤敬司らが得意としている。
◆ザ・デストロイヤー(本名リチャード・ジョン・ベイヤー)1930年7月11日生まれ、米ニューヨーク州バファロー出身。シラキュース大ではレスリングなどで活躍。同大修士課程修了後の54年に本名でプロレスデビュー。62年にザ・デストロイヤーに改名し覆面を使用し始めた。63年に初来日。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木らと名勝負を繰り広げ70年代には日本テレビのバラエティー番組「金曜10時!うわさのチャンネル!!」に出演してお茶の間の人気者に。93年に引退後はバファロー郊外に戻って体育教師になった。現役時代は1メートル83、110キロ。得意技は「足4の字固め」。
▼アントニオ猪木 非常にテクニックがあって、私の師匠である力道山先生もかなり苦戦したことを覚えております。体格のハンデをものともしない努力に裏打ちされた一流レスラーとしてのプライドを感じました。心よりご冥福をお祈りいたします。