井上尚弥、運命のゴング!“英雄パッキャオの道”第一歩「しっかりと勝つ」
2019年11月07日 05:30
格闘技
「勝てば、もちろん凄く満足する試合になる。今後の大きな試合に向けての第一歩にもなると思うので、しっかりと勝ちたい」
5階級制覇のレジェンドを倒して海外へ。すでに米大手プロモーター、トップランク社から契約オファーが届いている。前日の会見では「この先に見たい景色が山ほどある」とも話しており、この一戦が“今後”へのスタート地点となる。
大橋会長は井上尚の未来像について「パッキャオみたいな感じかな」と世界6階級を制覇したフィリピンの英雄の名を挙げ、「パッキャオみたいに、または超えられるのは尚弥が一番手なので、日本人ボクサーができるっていうレールを敷いてほしい」と期待。日本やアジアの枠を飛び越えた存在となる姿を思い描いた。
もちろん、今はドネアとの大一番に集中させる。計量を終え、軽い食事を済ませた後に取材対応する予定だったが、会長の独断でキャンセル。関係者によると、井上尚本人は「記者さんが集まってましたよね」と気遣っていたという。過度な緊張はなく、コンディションも会長が「最高の状態」と太鼓判を押す万全の仕上がり。だからこそ雑音を封じ、引き締めを図った。
前評判は英ブックメーカー「ウィリアムヒル」が井上尚に1・14倍、ドネアに5・5倍のオッズをつけるなど井上優位が圧倒的だが、油断や慢心はない。「自分の中ではそれほど差がないと思っているし、ボクシングはいつ何があるか分からないスポーツ。あすはオッズは頭から外して戦います」。7日、決戦のゴングは鳴る。
▽マニー・パッキャオ 史上2人目の6階級制覇王者となったフィリピンの英雄。ライトフライ級でプロデビュー後、次々と階級を上げ、スーパーウエルター級までの11階級で戦い、フライ、スーパーバンタム、スーパーフェザー、ライト、ウエルター、スーパーウエルターの6階級で世界王座を獲得。米国を主戦場にフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー(ともに米国)などと激闘を繰り広げた。16年からは母国フィリピン議会の上院議員を務め、40歳の現在もWBA世界ウエルター級スーパー王者として君臨。