凄み感じた八重樫の“徹底ぶり”――敗れてもなお称賛したくなる存在
2020年09月02日 05:30
格闘技
壮絶な打撃戦に持ち込み、勝っても負けても顔面はボコボコ。せっかく獲得した世界王座の初防衛戦でホープ井岡一翔との統一戦に臨み、世界中から恐れられたロマゴンの挑戦も受けた。その心意気以上に凄みを感じたのは、リングに上がるまでの戦略、体づくり、練習、コンディショニングの徹底ぶり。100%はないとばかりに常に工夫を考え、難しいと見れば切り替えて最善の手を探る。打撃戦もその選択肢の一つだ。忍耐や努力とは少し違う、心身ともに過程から最高の充実を追い求めた姿勢が激闘を生んだ。「ボクシングで人生が豊かになる」――。そんな人を見たら、魅了されるに決まっている。(スポーツ部専門委員)