中谷正義、ロマチェンコとの対戦浮上 今夏にも復帰戦で実現か?「自分にとってはチャンス」
2021年04月05日 08:45
格闘技
東洋太平洋王座を11度防衛した中谷は1メートル82の長身で、19年7月にロペスとIBF王座挑戦者決定戦で対戦。0―3の判定で敗れ初黒星を喫したものの、ロペスを最後まで苦しめた。その後、引退を表明したが、井岡ジムから帝拳ジムに移籍して再起。昨年12月にはフェリックス・ベルデホ(27=プエルトリコ)に劇的な逆転TKO勝ちを飾った。この試合は日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会、東京運動記者クラブ・ボクシング分科会による年間表彰で世界戦以外の年間最高試合にも選出され、同時に海外でも評価を高めた。
ロマチェンコとの対戦は中谷自身も前向きだ。まだスパーリングは開始していないが、すでに「どの作戦なら自分が一番勝つ確率が高くなるかを考えながらやっていきたい」とイメージを膨らませながら準備を進めている。一方でロマチェンコが無冠であるため、中谷にとっては通過点という位置付けでしかなく、「勝たなければ意味がない」の思いは強い。
「本音を言えば、世界を獲った後でロマチェンコとやるなら自分の中でもっと価値が高まったし、世間の注目度も違ったと思う。今の自分は誰と戦ったかが評価されている。勝って自分の自分の実力を証明したい」
長身で長いリーチを持ち、接近戦にも対応できる中谷の評価は決して低くない。ロペス戦後に右肩を手術したロマチェンコが万全でなければ、勝てないという予想さえある。また復帰戦の難しさもあり、中谷は「いつも通りではないでしょうね。心境が違うだろうし…もちろん、負けが良い方に向くことはあるにしても変化はあると思う」と推測。「ある意味、自分にとってはチャンスかなと。(ロマチェンコが)ずっと勝ち続けている時に対戦するよりは、良いタイミングだと思います」とプラスに捉えている。
世界的に選手層が厚く、日本人ボクサーが食い込むのは難しいとされる階級。超ビッグネームとの対戦が実現した時に、中谷がどんな戦いを見せてくれるか今から楽しみにしている。(記者コラム・大内 辰祐)