プロボクシング前WBO世界フライ級王者・田中恒成(26=畑中)が4日、横浜市の大橋ジムでWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(28=大橋)と4ラウンドのスパーリングを行った。昨年大みそかにWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(32=志成)に敗れて4階級制覇に失敗。プロ初黒星を喫した田中は12月11日にIBFスーパーフライ級5位の石田匠(29=井岡)との再起戦を予定。井上が12月14日にIBF6位アラン・ディパエン(30=タイ)との防衛戦が控えていることから、お互いの調整の一環として3階級制覇王者同士の豪華スパーリングが実現した。
プロ5戦目での世界戴冠、12戦目での3階級制覇と、井上の国内最速記録を塗り替え、「中京の怪物」と呼ばれる田中だが、本家モンスターに実力差を見せつけられる内容。「相手をよく見てるなと思いました。入りづらさは距離感とか。距離の取り方。バックステップがめちゃくちゃ良かったんで。そういった技術の高さがやっぱりすごかったです」と井上の印象を語り、「やろうと思っていたことができなかった。させてもらえなかったという言い方のほうが正しいかも。1ラウンド目に距離感をつかみたいというのがあったんですけど。それが最後までできなかった」と振り返った。
井上とのスパーリングは5日にも行う予定で、「きょうは反省が多いので、あす(5日)どれだけ修正できるか。12月の試合に向けて、とても大切な2日間になる」と前を向いた。