田中恒成、再起戦で石田匠に2―1判定勝ち「笑顔で試合できたのは初めて」
2021年12月11日 17:07
格闘技
昨年大みそかにWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)に敗れ、4階級制覇に失敗しプロ初黒星を喫して以来の試合。立ち上がりから石田の速い左ジャブに手を焼いた。それでも3回から、どんどん距離を詰めて連打をたたき込む。右カウンターのクリーンヒットもあり、5回あたりで石田が鼻から出血。以降もロープやコーナーに追い詰め、左ボディー2連打を繰り返すなど攻め続けたが、ダウンを奪えないまま試合は終わった。
昨年末で父・斉(ひとし)さんがチーフセコンドを卒業し、村田大輔トレーナー(43)と新コンビを結成。練習では基礎からやり直したという。「構え方、ガードの上げ方から。初心者がやるようなことをやって新鮮でした。楽しくボクシングできるようになった」。この日の試合は以前とは違う心構えで臨んだ。「(これまでの試合は)いつも緊張感が凄いし、周りにも緊張感を与えていたと思う。自分が考えたことが全てで時間通り、計画通りに進めていた。今回は“俺がダメなら(村田)大輔さんが何とかしてくれる”とトレーナーに任せた。ピリピリしなかった。今回はいつもの日常、普通の一日として過ごすつもりだった」。入場時点から周囲に笑顔を振りまき、以前とは異なる印象を与えた。
「今回はスパーリングに近い感じで、いつものような試合の緊張感は良くも悪くもなかった。それは反省点でもある。もう少し気持ちを入れて、ちょうどいいところを見つけていかないと」。本人が勝利後のリングで語ったように「満足いく」内容ではなかった。まだ発展途上で強くなるために“最適”が何かを模索している段階なのかもしれない。