清算法人からの再建目指すJBCに求められるもの
2022年04月13日 07:00
格闘技
JBCの純資産は10年に1億6000万円超だった。収入源である試合の承認料、ボクサーなどのライセンス料は興行や選手の減少に伴い右肩下がり。しかし影響が大きかったのは相次いだ訴訟関連の費用とみられ、コロナ以前の18年度には純資産が620万円まで激減した。既にグロッギーのところをコロナ禍でダメ押しされた。新たな負債である“亀田裁判”による約1億円の賠償金は再建の足かせとなりそうだ。
WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)が巻き込まれたドーピング騒動を発端に、ジム会長らで組織する日本プロボクシング協会(JPBA)はJBCのガバナンスを問題視し「体制刷新」を求めていた。一般財団法人としては解散したJBCが再建のため支援を得るには、それも避けられないだろう。
ボクサーやジムオーナーらにライセンスを発行し、レフェリーやジャッジなど試合役員を派遣し、ランキング作成などに関わるコミッションは競技が公平中立に実施されるために欠かせない存在。これから自身の立場がどうなるか、不安を抱えているはずの、ある職員は「とにかく興行を止めないこと。そうしないと本当に“いらない”と言われてしまいますから」と業務遂行を最優先する。あるジム会長は「(日本協会も)もっと寄り添う形でやっていければ」と業界全体の発展につながる再出発を望む。同感だ。(ボクシング担当・原口公博)