石沢は再計量失敗も試合は強行 陣営が谷口を“説得” 当日計量はリミット+3キロが上限

2022年04月21日 17:22

格闘技

石沢は再計量失敗も試合は強行 陣営が谷口を“説得” 当日計量はリミット+3キロが上限
<WBO世界ミニマム級TM谷口×石沢計量>計量超過した石沢不在で行われた記者会見で抱負を語る谷口(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【プロボクシング・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ   王者・谷口将隆(28=ワタナベ)15勝10KO3敗《12回戦》同級5位・石沢開(25=M.T)10勝9KO1敗 ( 2022年4月22日    後楽園ホール )】 公式計量が21日、横浜市内のホテルで行われ、初防衛戦の谷口はリミットいっぱいの47・6キロで一発パスしたが、世界初挑戦の石沢は2・5キロオーバーの50・1キロ。2時間後の再計量でも200グラムしか下がらず49・9キロだったが、両陣営は協議の末にタイトルマッチ開催を決断した。当日午後5時半の計量で石沢がリミット+3キロの50・6キロであれば試合は実施、落ちなければ中止との条件がつけられた。WBOの規定で谷口が勝つか引き分ければ防衛、敗れれば王座は空位となる。体重超過の石沢については後日、日本ボクシングコミッション(JBC)から処分が下される予定。
 石沢によると、前日20日の午前中に体調を崩して減量のための練習を中断。休憩を挟んで夜に体を動かしたもののほとんど体重は落ちず、「間に合わずに、こういう形になってしまって…」と声を絞り出した。一方、計量後の谷口は挑戦者の2・5キロオーバーに「驚きました」と言いつつも、「石沢選手も極限まで(減量を)やったと思う。意図的ではないと思いたい」と思いやった。

 しかし、「再計量で1キロは落としてほしい」との願いもかなわなかったことを知ると、谷口は態度を硬化させた。両陣営が試合開催へ協議を続ける中、電話で深町信治マネジャーに「やりたくない」と申し出たという。深町マネジャーによると、ジム内も「9割が反対だった」そうだが、興行自体や応援してくれる関係者へ迷惑がかかると判断。条件面の納得を含め、約1時間かけて谷口を「説得した」(渡辺会長)という。

 計量前の診断で谷口の脈拍は104回/分、血圧が96/86と減量の影響が出ていたのに対し、石沢は55/分、128/69。ダメージは明らかで、負ければ王座を失うリスクもはらむ。谷口の父親の出身地である鹿児島や母校・龍谷大、後援者などの試合への期待も大きいと説明した深町マネジャーは「ボクシングだけであればやるべきではないと思うが…。応援が他の競技とは違う特性もあると思う」と興行優先の判断をせざるをえない苦しい事情を明かした。

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