井岡と一問一答 WBOが中谷との指名試合を指令「王者が挑戦者を迎え撃つのは当たりまえ」
2022年12月23日 16:29
格闘技
――ラスベガスでどんな合宿をしてきたか。
「スパーリングもそうですが、走り込みだったり、試合前の準備をする上でやらないといけないことを、充実した良いトレーニングができたと思う」
――実現した統一戦への思い。
「ずっと望んでいた試合が一年(二年)越しに決まって、とてもうれしく思うし、ボクサーとしてチャンピオンとして、統一戦ができることを、望んでいる試合ができることをとても幸せに感じる」
――11回目の大みそかのリング。ボクシング界の大トリを務める。
「応援しているみなさんの期待に応えられるように、今年最後を締めくくる試合にふさわしいような、良い試合をしたい」
――7月には第2子の大空翔(たくと)君が誕生した。
「第2子が生まれて初めての試合でもあるし、その試合が統一戦なので、ベルトを必ず統一して、自分の家族のためにも頑張りたい」
――フランコの印象は。
「勇敢なメキシカンのファイターだなという印象がある。凄く積極的なスタイルで攻める印象で、今回特に日本に来て、彼からすると敵地なので、より積極的な試合展開になると思うので、自分もしっかり対応していきたい」
――高度な技術戦になると思うが、ここがポイントと考えているところは。
「まずは相手のパンチをもらわないこと。それはどの試合もそうで、今回もメキシカンファイターで積極的に試合を進めてくる選手だと思うので、クリーンヒットじゃなくてもパンチをもらったり、相手の展開になるとどんどん勢いづいてくると思う。距離だったり自分のポジショニングで、ディフェンスでもしっかり対策をつくってきているので、序盤は自分の距離や位置で自分のペースに持っていけるように、相手の攻撃に引きずり込まれないように、相手の攻撃を止めていかないといけない」
―そういうボクシングは得意な分野と思うが、自信は何%。
「自信はもちろんある。100%と言いたいが、なかなか思いどおりになるような、世界戦のリングはそういう場所じゃないと思っている。自分が準備してきたことを自信を持ってやっていこうと思う」
――最高のモチベーションで臨むと思うが、それが生きてくるもの、気をつけないといけないものは。
「チャンピオンでいるうちは世界戦のリングで戦えることを確約されている。現役の選手として最高峰の舞台だと思うので、それでモチベーションを保つとか下げるとか、左右されないでおこうという考えではあるが、統一戦に限っては簡単にできるものでもない。一戦一戦、統一戦へ向けて気持ちもつくってきたところもあるので、モチベーションは良い方向にあるんじゃないかとは思う。チャンピオン同士の戦いなんで、僕が今まで築いてきたもの、チャンピオンとしてのレベルの違いを見せたいと思っている」
――(WBC世界スーパーフライ級王者)エストラーダがローマン・ゴンサレスとの試合後に、井岡―フランコの勝者が標的と明言した。
「エストラーダ選手を目標に掲げて復帰したのが一番の大きな理由でもあるので、彼にそういうふうに発言させるところまで来たんだなというのは、凄くここまで来たっていう実感もありますし、僕自身もこの試合勝って、一番望む試合はエストラーダ選手との試合なので、この流れで次の試合に勝って、一番目標にしてきた選手と、このスーパーフライ級で頂上決戦ができたら、それが一番いいなと思います」
――エストラーダ―ロマゴンの感想は。
「正直、退屈な試合でしたね。何か同じ試合を見ている感じの展開という」
――WBOが指名挑戦者として中谷潤人を1位にしている。
「チャンピオンとして挑戦者を迎え撃つのは当たりまえのことだと思う。それが誰であろうと、中谷選手だろうと、チャンピオンとしての義務だし、当たりまえのことだと思うので、特に何も思うことはない」
――ラスベガス合宿の詳細を。
「入ったのが確か10月28日。帰ってきたのが12月19日なので、約2カ月間ぐらい。スパーリングは週に3回ぐらいしていました」
―3年ぶりの合宿で前との違いは。
「トレーニングはほぼ全てサラスさんが一日のトレーニング内容を決めていたので、指示を受けた中でやっていた。自分自身良い意味で余裕がなかったというか、目の前のやらなければいけないことに一生懸命全力で、一日一日やっている感じだった」
――久しぶりで刺激は。
「もちろんボクシングに集中できる環境でトレーニングさせてもらっていたので、日々充実していたし、3年ぶりに行って、やはり良い環境だなというのを実感しながらやっていた」
――スパーリングの相手は。
「世界ランカーや、サラスさんのジムの選手を中心にスパーリングしてもらった」
――フランコに近いタイプはいたか。
「たぶんサラスさんも、そういう選手を用意して僕とトレーニングさせていたと思う」
――スパーリングは何ラウンド。
「100ラウンドぐらいやった」
――今年は日本人選手の統一戦が多かった。刺激されたことは。
「失礼な言い方ですけど、特に刺激をもらっているわけではない。僕は僕なので、他の選手を見て考えや方向性が変わるというのは全くなくて、自分は自分のやるべきことだったり、自分が進みたい場所に対してどう行動するかというふうに常日頃から考えているので」
――統一戦は全てKO決着だった。どのような試合を見せたいか。
「僕は僕のパフォーマンスに集中して、僕が見せる見せ方で見せたいと思ってます。それがKOでも判定でも」
――スパーリングで一番長かったのは。
「10ラウンドをやりましたね。1回だけ」
――合宿でここが伸びたという部分は。
「心技体全てレベルアップできたんじゃないかと思っている。心の部分も技術も体も、大みそかを戦う良い準備ができているなと感じている。その中で成長した姿をお見せできるんじゃないかと自分でも思うので、楽しみにしてもらえたら」
――帰国後の調整は。
「あとはウエート調整だけ。そこが最後の一番重要なところなので、最後に良いコンディションをつくりたいと思う」
――今回は栄養士も同行した。
「カロリー計算や、栄養面でサポートしてもらった。良いトレーニングをして、良い食事を摂って、その中でスムーズに体重が落ちやすい体づくりというのを意識していただいて、その結果凄く良いコンディションをつくれているので、ありがたく感じている」
――リミットまでは。
「昨日の練習後の時点であとで4キロもなかったので、順調に体重も来ているかなと」
――2カ月の合宿から帰ってきて、子供の成長は感じたか。
「もちろん成長も感じたし、家族への愛おしさも感じた。改めて家族の大切さというか、自分が米国に約2カ月行っていて、待っていてくれている大切な家族がいる。そこが一番感慨深かったというか、自分が帰る場所があるというのは凄く良い、うれしいことだと。その中で子供の成長や喜んでくれている姿を見ると、試合前とかにかかわらず、父親として自分ができることをやってあげたいと思った」
――磨永翔(まなと)君はもう3歳。父親がボクシングをやっていることを分かってきているのでは。
「分かってきていると思う。今日も学校へ行くとき、“パンチパンチ、いっぱいしてきてね”と言っていたので、僕の手を叩きながら。僕のことを強いとか、チャンピオンという認識はたぶん持ってくれているので、強い父親、強いチャンピオンでいてあげたいと思う」