日本人唯一の5階級王者 藤岡奈穂子が引退 竹原会長は「頑張ってくれて感謝」

2023年05月29日 15:17

格闘技

日本人唯一の5階級王者 藤岡奈穂子が引退 竹原会長は「頑張ってくれて感謝」
引退会見を行った藤岡。右は竹原会長、左は柴田マネジャー Photo By スポニチ
 日本人唯一の5階級王者・藤岡奈穂子((47=竹原慎二&畑山隆則)が29日、現役を引退することを発表した。この日、都内の所属ジムで会見した藤岡は「自分としてもやりきったという思い。選手としては卒業することを決めました」と晴れやかな表情で話した。
 09年にデビューした藤岡は、11年にWBC女子世界ストロー級王座戦に挑み、当時、日本最年長記録となる35歳8カ月20日での世界王座を獲得した。その後、転級や防衛戦を経て、17年12月にWBO女子世界ライトフライ級王座を獲得し、男女通じて日本人初の5階級制覇を成し遂げた。

 昨年4月にはWBA・WBC女子世界フライ級王座統一戦に破れ3度防衛したWBA王座を失った。同試合後は引退の可能性も示唆しながら、同7月から米国で約3カ月練習に励むなど再起を目指してきたが、試合の条件面などが折り合わず引退を決断。「1年やって(オファーが)何もなければ引き際だと思った」と明かした。

 11年には東日本大震災で世界初挑戦のタイトルマッチが延期となった。その後、東京・後楽園ホールでアナベル・オルティス(36=メキシコ)に勝利し自身初の世界タイトルを獲得した一戦が印象深い試合だったと振り返った藤岡は「地元の人々を元気にしたい思いで臨んだが、皆さんに応援していただき、逆に周りに支えてもらっていることを感じた試合だった」と感慨深げに語った。

 今後は「未定」としながら、女子ボクシング界発展に向けた活動に興味を示す。9月25日には東京・後楽園ホールで引退式を予定しており、同席した元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二会長(51)は「気が強くて頑張り屋さん。リーダーシップもあり素晴らしい選手だった。今まで頑張ってくれて感謝しかない」とねぎらいの言葉を贈った。

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