【WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ○王者 井岡一翔《7回2分44秒TKO》同級6位 ホスベル・ペレス● ( 2023年12月31日 東京・大田区総合体育館 )】
普段は慎重に戦う井岡だが、いつも以上に攻撃的だった。1回から左のジャブを突いて、前に出た。2回にはガードの上からも積極的に打ってくるペレスに左アッパーをもらう場面もあったが、弱気にならなかった。3回にカウンターの左ボディーを効かせ、5回に相手が回復して前に出てきたところで、右のカウンターが入って2度のダウンを奪った。ボディーを効かせてから顔面を攻めての7回KO。組み立てもよかったし、要所要所でタイミングよくパンチが出た。意識改革があったのだろうか、吹っ切れたようにみえた。
エストラダ戦に向けて十分なアピールになったと思う。1つ注文をつけるとしたら、防御面だろう。ブロックに自信を持っていると思うが、2回にはブロックの外側や内側からパンチをもらった。やはりできる限り相手のパンチを外したい。外して打てれば、もっといいカウンターが出る。相手は外されるとバランスを崩す。キャリアのある選手だが、まだまだ伸びると思う。 (帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者)