王者・重岡銀次朗ワンパンKO 最初の有効打が決定打!2ラウンド左ボディーで決めた2度目防衛
2024年04月01日 04:50
格闘技
当初の対戦相手だった同級9位のアンダレス(フィリピン)が腹痛など体調不良を訴えドタキャン。王者が相手変更を知ったのは、試合まで1週間を切った25日で、アンパロが代役を務めると発表されたのは27日だった。「心境も結構ブレブレだったときもあったし生きた心地がしなかった」。情報不足という懸念もあったが、相手の右ガードが甘くなった瞬間を逃さず踏み込んで仕留めた。
負けられない理由もあった。先月中旬に日本ライトフライ級ユース王者の坂間叶夢さんが20歳の若さで急死した。坂間さんの最後のスパーリング相手を務めた王者はこう語る。「階級も近いし、他の選手とは違う特別な思いを感じていた」。両拳に戦友の思いを乗せた。
約2時間後、メインイベントのリングサイドで兄の敗北を目の当たりにした。ボクシングの怖さを痛感し「自分がやっても負けていたかもしれない」と悲愴(ひそう)感を漂わせる。ジェルサエムはIBFのベルトにも「チャンスがあれば」と意欲満々。生涯無敗を目指す銀次朗は「王者なので、断る理由はない。その時を踏まえて兄と一緒に修業しないといけない」と覚悟を示した。
◇重岡 銀次朗(しげおか・ぎんじろう)1999年(平11)10月18日生まれ、熊本市出身の24歳。ジュニア時代はU15全国大会V5など約40戦全勝。アマ時代は高校5冠など57戦56勝で、1敗は兄・優大との兄弟対決を避けるための棄権。18年9月プロデビュー。23年4月にIBF世界ミニマム級暫定王者となり、同10月にIBF世界同級正規王者に。身長1メートル53の左ボクサーファイター。
▼アンパロ (王者のボディーは)みぞおちに入った。カウント7まで息ができなかったよ。(王者は)とても強くて速かった。(試合が決まり)4キロ一気に落とさなくてはいけなかったのも影響した。