井岡が敗れたマルティネス戦に田中恒成「思うことはたくさんある」標的定まりV1へ練習公開

2024年07月09日 16:26

格闘技

井岡が敗れたマルティネス戦に田中恒成「思うことはたくさんある」標的定まりV1へ練習公開
村田大輔トレーナー(右)が装着したムービングバッグに打ち込む田中恒成 Photo By スポニチ
 20日に初防衛戦(東京・両国国技館)に臨むプロボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29=畑中)が9日、名古屋市北区の所属ジムで練習を公開した。シャドーに加え、ミット打ちとムービングバッグを2ラウンドずつ。今回、特に磨いたというボディーを組み込んだコンビネーションを小気味よく打ち込んだ。
 「コンディションはいい。(試合展開は)完封しながら、どこかでチャンスをつくってKOするのが理想。今回は練習の中で自分から攻めること、手数、コンビネーションを特に意識してやってきた。(守備を意識した)前回とは違う戦い方になると思う。KOしたいというのもあるし、本来、自分が持っている良さをいちばん出せるボクシングになる」

 ただ、先月半ば過ぎに思わぬアクシデントに見舞われた。「41度以上の熱が出ました」。新型コロナ、インフルエンザの検査はともに陰性で、風邪という。約1週間は体を動かせず、スパーリングを予定の半分以下、40~50ラウンドしか消化できなかった。「スパーが少ないぶん、1ラウンド1ラウンドに集中できた。練習のチャンスは“ここしかない”と。こんな調整の仕方もあるんだと思えた。(練習過程の体調不良が)今回はいい方に転んだ。今は心も体も、いい状態」と改めて万全を強調した。

 対戦相手の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)は25勝(17KO)2敗1分け、タフな右の強打者だ。その印象について「一発はある選手で打たれ強さもある」と語った上で「一発というよりコンビネーションで倒したい」とKOシーンを思い描く。

 スーパーフライ級は7日に2団体統一戦が行われ、IBF王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)がWBA王者の井岡一翔(志成)を判定で下した。統一王者となったマルティネスは今後について「新しいタイトルを探しにいきたい。田中(恒成)選手との可能性がある」と話している。また、6月29日にフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)を破り、WBC王座を獲得したジェシー・“バム”・ロドリゲス(米国)も「機会があればWBO王者とも戦いたい」と田中との対戦に興味を示している。

 井岡VSマルティネスを自宅で配信映像により見届けた田中は「とても刺激になりました。まずレベルの高い試合だった。そして自分の標的が定まった。マルティネスという自分が戦いたかった選手と、自分が一度戦った井岡選手の試合なので。思うことはたくさんありました」と語った。

 井岡の敗戦について自身の思いを重ねて問われると、しばらく思いに沈んだ。そして「一度、戦ったこと、あとは昔から見ていた選手でもある。そういうことを含めて思うことは少なくないけど…。あまりうまく伝えられないので、やめておきます」と複雑な胸中をうかがわせた。

 それでも現級で4団体統一を目指す田中にとって状況は明確になった。「現状でその2人(WBA&IBF王者マルティネス、WBC王者ジェシー・ロドリゲス)に比べて評価も試合内容も劣っていると感じている。それは自分でも理解している。それを払しょくしたい」。まず初防衛をド派手なKO勝利で飾り、存在感を示したい。

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