東洋太平洋王者・栗原慶太「俺は勝っていない!」ノンタイトル戦2―1判定勝利も涙の訴え
2024年07月22日 22:40
格闘技
立ち上がりはプレスをかけながらロープ際で左右のフックを浴びせた栗原だったが、中盤以降は作戦もはまらず被弾も目立った。スタミナ切れした終盤は明らかに劣勢で、いつ倒れてもおかしくない状況だった。
主戦場とするバンタム級より一つ上のスーパーバンタムでの調整試合に臨んだ栗原は「コンディションは万全だった。自分の実力不足」と認めた上で「対策していたものとは違う頭の振り方をされて戸惑った。細かいパンチも当てられず自分の未熟さを感じた」と単調になってしまった攻撃を反省した。
20日にボクシング転向4戦目でKO勝利した那須川の次戦相手候補として名前が浮上していた。「今月、(日本王者)増田選手や、(全日本王者)堤選手、(WBC王者)中谷選手がいい試合をしていた」。那須川の名前こそ挙げなかったが、同じバンタム級を主戦場とする選手がKO勝利を挙げた姿を見て刺激を受けていたことを明かす。
ただ「自分もこの試合に勝って彼らとの差を埋めたかった。何とか勝利して前に進みたかったが、僕自身はこれまでかな、という思い。変えられるのであれば、この勝利を負けにしてほしい」と突然の引退も示唆するなどパニック状態。以前、那須川サイドから対戦オファーがあったことを明かした一力ジムの小林一会長は「今のボクシングをやっていたら天心には勝てない。この試合を見たら(那須川陣営は)勝てると思うだろう」と受け止めた。
同会長は栗原の現役続行を前提とした上で「もちろん話が来たら受けるつもり。あとは本人次第」と話した。栗原も「今は頭がぐちゃぐちゃ。一度冷静になってから(進退は)改めて報告させていただきたい」と思わぬ接戦に心の整理がつかない様子だった。