【悼む】愛妻家だった巨泉さん 緊張ほぐしてくれた“甘い雰囲気”

2016年07月21日 09:05

芸能

【悼む】愛妻家だった巨泉さん 緊張ほぐしてくれた“甘い雰囲気”
01年の参院選で民主党から立候補。選挙運動中、新橋駅で寿々子夫人に汗をふいてもらう大橋巨泉さん
大橋巨泉さん死去
 2001年6月末、参院選への出馬を決めた巨泉さんを米ワシントン州ブレインにある別荘に訪ねた。「テレビ界の帝王」への初めてのインタビュー。筆者の緊張をほぐしてくれたのは、巨泉さんと妻の寿々子さんの間に漂う、何とも言えない甘い雰囲気だった。

 一時代を築いた大物が寿々子さんに向けるまなざしは、限りなくおだやか。「僕が出馬表明会見で、1票差で落選すればいいって言ったのは、半分本気なんですよ」と愛妻との心静かな日々を何より大切にしていた。

 取材後には広い庭でバーベキューを振る舞ってくれた。赤ワインを注ぐ、寿々子さんを指さしながら「(選挙に)出るのなら勝ちたい!なんて言いだすしさ。変なヤツなんだよね」と照れた。

 参院選後も、ご夫妻にお会いする機会があった。別れ際「じゃあ、またね」と寿々子さんと腕を組んで歩いていった後ろ姿が忘れられない。ご冥福をお祈りいたします。(元文化社会部記者・西村 正子)
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