あと6人…中野サンプラザ 盆踊り猛暑に泣く 「名前残したい」ギネス記録挑むも更新ならずお別れ

2023年07月18日 05:30

芸能

 東京都中野区のランドマークとして50年にわたって愛されてきた中野サンプラザが17日、最終入館日を迎えた。テナントやホールの営業は2日までに全て終了していたが、15日からの3日間は「さよなら中野サンプラザ感謝祭」と銘打って館内を一般開放。この日が事実上の見納めとなり、多くの人々が別れを惜しんだ。
 「音楽の聖地」と呼ばれたコンサートホールでは区民が歌やダンスなどを披露。江戸川区の60代女性は、開業2年目の1974年に当時トップアイドルだった野口五郎(67)のリサイタルを見て以来、年3回ほどのペースで足を運んでいたといい「館内を回っている間にいろいろな思い出がよみがえってきた」と懐かしんだ。中野サンプラザ前広場の屋外ステージには、同所にちなんで芸名を付けたサンプラザ中野くん(62)、パッパラー河合(62)が駆け付け、爆風スランプの名曲「Runner」などを披露し最終日を盛り上げた。

 夜には同所付近の道路で、浴衣や甚平姿の区民らがギネス世界記録の「最多人数による盆踊り」に挑戦。発起人の舞踊家鳳蝶美成(あげは・びじょう)さんらが「ギネス記録という形で中野サンプラザの名前を残せるということに意味がある」と企画したもので、趣旨に賛同した参加者が東京音頭を舞った。目指したのは、2017年に大阪府八尾市で記録された2872人超え。しかし、結果はわずか6人足りない2866人。記録の更新は夢と消えた。

 夢を阻む要因のひとつになったのが猛暑だ。この日の東京の最高気温は36・2度。主催者は3000人超での達成を掲げていたが、関係者は「暑さもあり、キャンセルする方もいた」と厳しい暑さが参加人数に影響したとの見方を示した。

 中野サンプラザは今後解体され、2028年ごろに新たな複合施設として生まれ変わる予定。盆踊りに参加した区内在住の30代男性は「あと6人ということでじわじわ悔しさが来ている。次は新しい中野サンプラザの時に挑戦して達成したい」と5年後の記録更新へ誓いを新たにした。

 ≪全国195地点で猛暑日≫日本列島は17日、西日本から東日本の広い範囲で高気圧に覆われ、愛知県豊田市ではこの日、全国で最も暑い最高気温39・1度を観測した。最高気温が35度以上の猛暑日は全国195地点に上り、今年最多だった16日の157地点を上回った。甲府市は38・8度、岐阜県多治見市は38・7度、避暑地として知られる栃木県日光市五十里では観測史上1位となる34・8度を観測した。気象庁によるときょう18日も厳しい暑さが続く。

 ≪3つの条件≫盆踊りのギネス記録を更新するには(1)盆踊りに際した伝統的な衣装を着ること(2)5分間正しく踊ること(3)失敗の人数が10%以内に収まること――という3つの条件もある。実行委によると、ギネス記録認定員が1人、監視員約80人が立ち会い、挑戦を見守った。今回は3つの条件をクリアできなかった人が一定数いた可能性もある。
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