市川猿之助被告 表舞台復帰ある 関係者「松竹に大きな借りができた」説得次第で可能性

2023年08月01日 04:35

芸能

市川猿之助被告 表舞台復帰ある 関係者「松竹に大きな借りができた」説得次第で可能性
スーツ姿で原宿署を出る市川猿之助被告 Photo By スポニチ
 両親への自殺ほう助罪で起訴された歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗孝彦)被告(47)が31日夜、勾留先の警視庁原宿署から保釈された。救急搬送される2日前、舞台に立った5月16日以来初めて報道陣の前に姿を見せた。この日、東京地裁が保釈を認める決定をし、代理人が保釈保証金500万円を納付した。現在も精神的に不安定な面があるとの見方が強く、しばらくは関係者が用意した都内の住居で生活するとみられる。
 猿之助被告が実質率いていた「澤瀉(おもだか)屋」一門は、事件以来、いとこの市川中車(香川照之、57)が懸命に支えているが“大きな穴”を埋めるまでには至っていない。今後もいばらの道が続きそうだ。

 中車は先月、歌舞伎座「七月大歌舞伎」昼の部の「菊宴月白浪」で、猿之助被告の代役として主演。28日に千秋楽を迎え、最後の切り口上では「本日千秋楽!まず昼の部はこれぎり」と締めくくり万雷の拍手を浴びていた。

 5日が初日の「八月納涼歌舞伎」にも澤瀉屋メンバーらと出演予定。関係者の間では「事件が起きてから中車さんは孤軍奮闘している。歌舞伎役者として日に日に成長している」と評価する声も少なくない。

 ただ興行面では、歌舞伎界きっての集客力を誇った猿之助被告と、40歳を超えてこの道に入った中車では大きな開きがある。関係者は「初日や千秋楽などを除けば、チケットの売れ行きが4割に満たない日もあったと聞く。空席も目立った。もちろんコロナ禍で離れた客入りが戻り切っていない面もあるが、集客で猿之助被告の代わりが務まる役者はいないだろう」と語る。

 事件が発生してから5月の明治座公演をはじめ、猿之助被告が出演予定だった多くの舞台が代役上演や公演中止となった。今後、損害の補償問題が持ち上がりそうだが、演劇関係者によると「慣習として、個人に金銭的要求をすることはない。小屋(劇場)がかぶるか、製作元に求める」という。歌舞伎座公演はもちろん、5月の明治座も製作は松竹。同関係者は「損害金が発生となれば、まずは松竹に話がいくでしょう。いったん、松竹が肩代わりというような形を取り、その後、松竹が猿之助被告と話し合うことになるのではないか」と指摘した。

 来年2、3月に上演予定だった人気漫画「鬼滅の刃」のスーパー歌舞伎は中止。関係者によると松竹は、それ以外にも猿之助被告を中心とした企画を数多く見込んでいた。松竹内からは「俳優ではなくても、プロデュース、企画、演出とできることはいくらでもある」との声も上がっている。

 猿之助被告は中車らが面会した際「もう表舞台には出たくない」と語ったという。ただ歌舞伎関係者は「今回の事件で面倒をかけた松竹に“借り”ができたのは間違いない。裏方でも関わってほしいという松竹の願いを聞き入れざるを得ないのはもちろん、場合によっては表舞台への復帰もあり得る。松竹の説得次第ではないか」と話した。
【楽天】オススメアイテム