史上初の全8タイトル制覇“藤井無双時代”最初に倒すのは誰か 伊藤匠七段が名乗り「いつかは…」
2023年10月11日 22:26
芸能
02年生まれは藤井と同学年。小学3年時に出場した大会で勝ち、後の8冠を号泣させた逸話はあまりに強烈だ。だがプロ入りはライバルに遅れること4年。奨励会時代の18年には、藤井が衝撃の初優勝を飾った朝日杯で記録係を務めていた。
「う~ん、(当時は)ちょっと参ったなという気持ちでした」
羨望(せんぼう)と怨嗟(えんさ)が交錯する複雑な思いをバネにして、20年の四段昇段後は順調に出世の階段を駆け上がり、21年度は藤井を抑えて最高勝率賞(・818)を獲得。今竜王戦は挑戦者決定3番勝負で強豪の永瀬王座(当時)に連勝し、挑戦権を鮮烈に射止めた。
「藤井竜王相手にどれぐらい戦えるかが、今後の棋士人生において大事なところになると思っています」
6、7日の第1局は第1日から苦しい展開となり、一方的に押し切られた。だが「タイトル戦に出ただけでは意味がない。勝ちたいと軽々しくは言えませんが、いい勝負を演じられるように頑張りたい」と意欲に衰えはない。
逆転でシリーズを制すれば「藤井を泣かせた男」から「タイトル戦で藤井を初めて負かした男」になる。「そうですね。いつかは藤井さんにタイトル戦で勝ちたいという思いはあります」
竜王戦の次局は17、18日に京都で行われる。寡黙なチャレンジャーの逆襲、なるか。