藤井王将 永瀬九段の揮毫「聡」に大長考 21日のJT杯準決勝を前に大阪市役所を訪問

2023年10月20日 19:08

芸能

藤井王将 永瀬九段の揮毫「聡」に大長考 21日のJT杯準決勝を前に大阪市役所を訪問
JT杯準決勝を前に開催地の横山英幸大阪市長(中)を表敬訪問し、自らの揮毫(きごう)「聡」を贈った永瀬拓矢九段と「雲外蒼天」の藤井聡太王将 Photo By スポニチ
 史上初めて全8冠を独占した藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、王座、棋王、棋聖含む=が20日、永瀬拓矢九段(31)と大阪市役所を訪れ、横山英幸市長を表敬訪問した。両者は21日、同市のAsueアリーナ(大阪市中央体育館)でJT杯準決勝に臨む。藤井は「雲外蒼天」、永瀬は「聡」の揮毫(きごう)を横山氏へ贈った。
 永瀬の「聡」はもちろん藤井の名前の1文字。その意図を問われた永瀬は、「込めた思いはない」と即答。かつては「鬼」をよく書いたが最近はもっぱら「聡」だそうで、「ファンにも喜んでもらえるのではないか」と笑顔。11日の第4局を1勝3敗で落とし、27年ぶりの全冠制覇を許した第71期王座戦5番勝負の相手・藤井を連想する周囲を楽しむような口ぶりで、もし1文字ではなく、2文字の揮毫を求められれば「“聡太”と書くべきか、その場で考えたい。気が向いたら書くかも知れません」とも語り、ライバルであると同時に、10歳年長ながら藤井との研究会のために名古屋へも通う友情を物語った。

 ところがこの言葉を伝え聞いた藤井は苦笑い。「“聡”の由来を聞いたことがないので意味を調べないといけない。でも、どうコメントしたらいいのか…」と言葉に詰まると、対局並みの長考に入った。

 永瀬によれば、8月31日から始まった王座戦5番勝負期間中、中断していた両者による研究会は近々再開予定で、藤井が14歳での四段昇段から続く交流は継続される。JT杯準決勝に向けては、藤井は王座戦直後とあって「序、中盤の作戦、戦型を王座戦の内容を踏まえて考えることはあるのかなと思う」と計4局の類型が出現する可能性を語った。一方の永瀬は「(藤井との研究会は)よいパフォーマンスをしないと続けてもらえない。一番厳しい相手だがよい将棋を、と思っている」と意欲を語った。
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