谷口キヨコ 夕焼けを眺める時の「あの世とこの世が一瞬混じりあうような感覚」に思うこと
2023年10月25日 16:30
芸能
もっといってしまうと、その間はあの世とこの世が一瞬混じりあうような感覚といいましょうか…。私にとっては亡くなった人たちを一番近くに感じる時間でもあるんです。この夕焼けの中に彼らもいるんじゃないか、と。もちろん見えはしませんが、話しかければそれを聞いて応えてくれるような、そんな感覚になることがあります。
それと同時に、私が知らない昔の人もこんな夕日を見て、会ったこともない遠くの人もこんな時を過ごしている…そんな気持ちにさせてもくれます。時間や距離を超えて同じものを見ている感覚、それを共有している感覚があるんです。
過去とのつながりはご先祖様だけでなく、この大きな自然や自然現象がわたしたちをつないでくれているんやな、と夕焼けの中にいると思います。子供のいない私にとっては「未来へつなぐ」という感覚は、50年後、100年後の未来を自分の子孫目線で想像することができないということもあり、正直そんなに身近に感じられるものではありません。でも、未来の誰かもこんな気持ちで夕焼けの中にいてることで、この私の思いを共有する人がきっといるだろう。
それが時代や国や性別や年齢や、とにかくいろいろな違いはあってもつながっていくものであると感じるし、そう信じたいのです。私はこれからも続く、大きな大きな命の一員であるというつながりを夕焼けの中にいると感じます。
そう思うとき、これからの自分が何をしたいか、すべきなのか…。この感覚が確かな指針になるような気がします。