【桜花賞】ハープスター、1F11秒9!松田博師「ブエナ以上かな」
2014年04月10日 05:30
競馬
これでもかとばかりに負荷を掛けた。ハープスターは、その期待にしっかりと応えた。
CWコースで3頭併せ。ラウンドワールド(4歳オープン)、ビキニスタイル(3歳未勝利)を7Fから2馬身先導した。格上は追走が主流の松田博厩舎には珍しいパターンだが、先行もそれはそれで厳しい。「いつ並ばれるのか」という不安と闘いながら機を待つからだ。ただ、脚さばきは軽快そのもの。4角では大外を回し、後続2騎がいったん前へ。ここからが見せ場だ。
鞍上がゴーサイン。待ってましたとばかりに反応した。四肢の回転が一気に上がる。一瞬にして2頭をかわした。ラウンドに半馬身、ビキニには2馬身差をつけた。7F(97秒1)から時計を出しながら、ラスト11秒9を叩き出した。
松田博師も納得の表情だ。「馬が走る気になっていたのか、時計はちょっと速くなったな。順調、変わりなし。それ以上言うことはないぞ。1回使ったからと言っても、そんなに変わらなくていいんだ」
負荷を掛けたポイントが3つあった。先行させてプレッシャーをかけた。勝負どころで僚馬を前に行かせ精神的に追い詰めた。直線で前を追い掛け、もうひと伸びを要求した。どのポイントでも気持ちを乱すことはなかった。これならレースでも大丈夫。道中、後方からしっかり折り合い、直線、外から桁違いの脚を繰り出せるだろう。
祖母は同じく松田博厩舎に所属し、桜花賞、オークスを制した名牝ベガ。同厩舎にはG1・6勝牝馬ブエナビスタもいたが、2頭に負けない可能性を師は感じ取っている。「新潟2歳Sを4角18番手から差し切った時に、ああ、同世代相手ならこの馬は負けないなと思った。ブエナもそう思えたが、この馬はそれ以上かもしれない。一冬を越して見栄えも良くなったし、だいぶ競走馬らしくなってきたんじゃないか」
ただ、昨年の阪神JFで鼻差2着。同世代相手に敗れた。川田はこう決意表明した。「阪神JFは取り返すことができないし申し訳ない気持ち。ただ、チューリップ賞では道中、リズム良く走れたし4角での雰囲気も良かった。今回も気持ち良く走ってくれたら…。一番いい結果を出すことだけを考えている」
持てる力をしっかり出す。結果は当然ついてくる。松田博師も川田もVを信じて疑っていない。