【阪神JF】天才少女ソウルスターリング 藤沢和師は脚さばき評価
2016年12月08日 05:30
競馬
「気持ちの入った、いい動きだな。もともとシンコウラブリイ(93年マイルCS)みたいに気が良くて、スピードがある。完成度はスティンガー(98年阪神JF)よりも上かな」と、厩舎にG1タイトルをもたらした名牝を引き合いに出す藤沢和師。「こういう馬に速い時計はいらない。放っておいても自分で走って、いい体つきになっている。持って生まれた才能なんだね」と続けた。
名馬には厩舎も騎手も血統さえも関係ない。持って生まれた才能が全てを超越しているから名馬なんだ…とはG1・22勝を挙げたトレーナーの持論。ソウルスターリングの美浦トレセン入厩時、藤沢和師はその姿に触れて思わずのけぞった。「ケタ違いかも…」。英G1・10戦全勝の父フランケルと仏米G1・6勝の母スタセリタから生まれた筋金入りの欧州血統。「母の父もモンズーンなのに欧州血統の重厚さがない。凄く素軽い。パッと見ただけで走ると思わせた」
栴檀(せんだん)は双葉より芳しという。牡馬相手に札幌・新馬、東京・アイビーSをあっさり連勝。「二の脚が速いよね。前にとりつく脚も速い。レースも上手。遅い流れにもうまく対応していた」と振り返る同師。「でも、一番いいのはフットワークだな。東京の直線の坂をあんな脚色で上がってくる馬はめったにいない」。双葉から芳しく香り立つ才能は本物。アイビーS後には来春の牡馬クラシック(皐月賞、ダービー)にも登録した。
「昔(改修前)と違って阪神のマイルはタフで、マイラーには少しつらいコース。2000メートルでも全く問題ない馬だけど、このコースなら距離短縮にも戸惑うことはないはず。広いコース向きだとルメールも言っていた」。厩舎も騎手も血統さえも超越しているからこそ名馬…。その名の通りのソウルスターリング(心揺さぶる)極上のフットワークで最初のG1に王手をかけた。