父子の夢第一歩…土曜中山5Rで武藤師&武藤雅の親子タッグ実現
2017年03月03日 05:30
競馬
小学校時代は4つのクラブを掛け持ち、サッカーに明け暮れた。本気でプロを目指したが、身長的な限界を感じ中学進学時に馬乗りの道へ。所属した北総乗馬クラブで3年間、騎手の基礎をつくり上げた。雅は「凄く厳しかったけど、馬とのコンタクトの仕方を教わった。競馬に興味を持つきっかけになりました」と振り返る。
満を持して挑んだ競馬学校の入学試験。だが、結果はまさかの不合格で、善則師は「かなりの挫折だったと思う。それでも本人は真摯(しんし)に受け止めていた」と回顧する。1年間、普通高校に通いながらも絶やさなかった騎手への思い。2度目の受験で合格を勝ち取った。師は「あの一年間で丸くなった。この世界で生きていくために“愛されキャラ”でいるのは大事。雅にとって大切な期間だった」と父親の表情で話した。
デビューの土曜中山では5鞍に騎乗。5R(ニシノリサイタル)では武藤厩舎の馬に騎乗し、いきなりの親子タッグが実現する。雅は「最初が肝心だと思うので新人らしく積極的に。同期より先に勝ちたいです」。くしくも86年3月の父のデビュー戦と同じ勝負服。善則師は「お世話になっているオーナーの計らいです。自分は騎手として果たせなかった夢がたくさんある。雅には頑張ってほしい」と思いを託す。紆余(うよ)曲折があったから見える景色。いよいよ、親子の夢へのゲートが開く。