【大井・帝王賞】“東北魂”ウマノジョー&山本聡哉が中央勢に挑む!
2017年06月27日 06:30
競馬
岩手競馬も例外ではない。売り上げの回復に伴いレースの賞金も軒並み向上。秋の全国交流競走・ダービーグランプリの今年の1着賞金も、例年の800万円から1000万円に上昇した。まさに右肩上がりの状況と言える。
そして最近目覚ましいのが“岩手出身馬”の活躍である。一時浦和に移籍したエンパイアペガサスが船橋・報知グランプリCを制覇し、岩手プロパーのベンテンコゾウが道営3歳クラシックの北斗盃と北海優駿を連勝。また、交流重賞で健闘を続けるラブバレットも存在感十分だ。先頃惜しまれつつ引退した古豪ナムラタイタンや、休養中の一昨年の岩手ダービー馬ロールボヌールを欠きながらも、岩手勢は全国各地で“東北魂”を見せつけている。
先月24日の大井記念を制したウマノジョー(牡4=大井・渡辺和)も岩手出身馬。父ウイングアローが泣かせるこの馬の鞍上は、岩手のトップジョッキー・山本聡哉(29)だ。実兄の山本政聡(31)と地元で競い合う彼は、一昨年、昨年度とベテランの村上忍(40)を抑えて岩手リーディングを獲得した腕利きである。大井記念での落ち着き払った騎乗ぶりはお見事の一語。勝利ジョッキーインタビューでは愛馬ウマノジョーの成長ぶりを称賛していたが、彼自身の成長なくしては成し遂げられない勝利でもあった。
そんな岩手と縁深いウマノジョーが交流G1帝王賞(6月28日、大井)に挑む。武豊が駆るアウォーディー(牡7=松永幹)や末脚自慢のサウンドトゥルー(セン7=高木)、ゴールドドリーム(牡4=平田)にアポロケンタッキー(牡5=山内)など、G1馬6頭を擁する中央勢。この豪華なメンバーに地方重賞1勝の身で相対するのは決して楽ではないが、岩手の名手を背に地方代表の意地を何とか見せたい。彼には交流重賞・ダイオライト記念3着の実績もある。ぜひとも馬券に絡むような活躍に期待したいところだ。99年には“岩手の軍神”メイセイオペラが覇を唱えた帝王賞。中央と地方の名馬たちが勝ち馬として名を刻んでいる帝王賞は、28日の20時05分に発走する。