42歳ミナリク“春の主役”へ!天国の友と憧れの地で羽ばたく
2018年02月09日 05:30
競馬
その後、ドイツへと拠点を移し白星を重ね同国を代表する騎手へと成長。14年ジャパンC、アイヴァンホウとのコンビで待望の初来日。その後も15年、昨年とジャパンCに3度騎乗した。「実際に騎乗して、日本の競馬は想像以上に素晴らしいと感じた。設備、質、技術、どれを取っても世界一と言っていいレベル」。夢をかなえると、今度は短期免許で、本腰を据えて騎乗したいとの思いが募った。
2人の親友が背中を押した。1人はシュタルケ。短期免許で何度も来日し、日本でもおなじみのドイツ人騎手だ。「相談に乗ってもらい、人もたくさん紹介してもらった。彼は日本での経験が豊富だから、いろいろ教えてくれて本当に助かった。感謝している」
もう1人はダニエレ・ポルクさん。昨年のジャパンCで初来日(イキートス15着)したが、その騎乗を最後に今年1月、がんのため34歳の若さでこの世を去った。「彼とは4年間、同じ厩舎で仕事をした。妻より長い時間を過ごした時期もあった。僕と同じで日本が大好き。自分の命が長くないことを知りながら、夢だったジャパンC参戦を果たした。往復の飛行機も含め、日本に滞在中ずっと行動を共にしたのが、今となっては一番の思い出だよ」
今回の滞在には、ポルクさんの形見の鞍を持参した。「彼の奥さんから譲り受けた。全てではないが、レースで使わせてもらう」。鞍には早世した親友のイニシャル「D・P」が刻まれている。「何があっても笑顔を絶やさないポジティブな男だった。日本での騎乗を熱望していたから、今回のことは彼も喜んでくれていると思う。彼のためにも勝ちたいし、天国から少しだけ、後押ししてくれるかもしれないね」
2人の親友に導かれての初滞在。さまざまな思いを背負い42歳のベテランは新たな扉を開く。
◆フィリップ・ミナリク ☆生まれとサイズ 1975年3月10日、チェコ(当時はチェコスロバキア)・プラハ出身の42歳。父・ファーディナンド氏は同国のリーディングを2度獲得した騎手。1メートル69、53キロ。
☆キャリア 高校に通いながらアマチュア騎手となり、91年にプラハで初勝利。96年に拠点をドイツに移す。00年に自身初の年間100勝突破。ドイツリーディングを4度獲得(05、11、16、17年)。
☆趣味も競馬 世界の競馬場巡りが趣味。東京では騎乗経験があるが京都、中山での騎乗を心待ちに。「オファーがあればどこでも行く。時間があれば地方の競馬場にも足を運びたい」
☆親日家 好きな日本食は魚料理で刺し身、照り焼き。今回の来日では「神戸ビーフをぜひ食べたい」。好きな街は東京。「世界一のビューティフルシティー」
☆覚えた日本語 私は〜です。おはようございます。こんにちは。ありがとう。もしもし。