【フェブラリーS】ノンコノ“夢”かなった!中央G1初制覇
2018年02月19日 05:30
競馬
「回り過ぎちゃいましたね…。厩舎スタッフが仕上げて、土台はつくってくれたので乗り方次第と思っていた。やっぱりいいですね…。騎手って」忘れかけていたG1の美酒に酔った。
完璧な騎乗。砂をかぶると嫌がる面も考慮し、スタート後はすぐ外へ。前半3F34秒1。これなら届く。敵をドリーム1頭と定め、差し込んだ。「世界No・1と言われるジョッキー(ムーア)といっても僕だって同じ騎手。最後は馬頼み。馬の根性ですね」とレコードVを飾った根岸Sから継続コンビの愛馬を称えた。
加藤征師は開業17年目で悲願のG1初制覇。07年にはシンガポール航空国際C(シャドウゲイト)で海外G1を勝ち、地方G1も制覇済み。歓喜の中央初G1と思いきや、指揮官は「シンガポールの時が凄かったんで…。中央のG1に50回近く使っているし、そんなにドキドキ感はないです」と率直に切りだした。それでも喜びはジワジワ込み上げていた。牝馬に対して馬っ気がひどく、人間にも時に反抗的な気性を考慮し、16年帝王賞2着後に去勢手術を英断。その後の長い低迷に「批判の声も聞こえていた」(同師)と歯を食いしばり、粛々と鍛錬した。去勢効果も徐々に表れた。「まず昔の体に戻ったのが一番。若い頃は男馬の気性の荒さで前に進んでいたのが、今は柔らかさと推進力で行く」と同師。メンタルの成長も糧に、根岸Sで2年2カ月ぶりのV。再びG1表彰台に返り咲いた。
山田和正オーナーの長女「のどかさん」から命名されたノンコノユメ。その夢は2度目のG1制覇でさらに膨らむ。3月ドバイ遠征は見送る方針。この勝利で優先出走権を得たブリーダーズCクラシック(11月3日、米国チャーチルダウンズ)について、加藤征師は「現時点でも十分走ってくれていると思う。ブリーダーズC?興味はあります。オーナーの意向も考慮して考えたい」と夢をはせた。鞍上も「海外挑戦?なかなか行く機会もないので、実現すればうれしい」と目を輝かせていた。
◆ノンコノユメ 父トワイニング 母ノンコ(母の父アグネスタキオン)セン6歳 美浦・加藤征厩舎所属 馬主・山田和正氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績21戦8勝(うち地方5戦1勝) 総獲得賞金4億2561万1000円(うち地方8800万円)。