【安田記念】香港の刺客ウエスタン、虎に変身 ハミ取って激走
2018年06月01日 05:30
競馬
「いい性格だよね。普段はとってもおとなしい。しかも、素直で人の言うことをよく聞く。どんな状況でも絶対に自分の力だけは出し切る馬なんだ」と語るのが安田記念延べ10度目の挑戦となるサイズ師。追い切り後に再び猫に戻った愛馬に誇らしげな視線を向ける。大食漢ぶりを示すエラのように張った顎。「環境の変化にもお構いなしに、いつでもどこでも、がっちり食べる。来日(5月22日)してからもモリモリだよ。疲れ知らずのタフネスさも大食ぶりから来ているのだろうね」。おとなしく、大食いでタフ。10度目の香港リーディングへ独走中のサイズ師が日本へ連れてきた、遠征に最もふさわしい資質の持ち主だ。「水曜(30日)の体重測定では前走時と同じ554キロ。昨秋の初戦(575キロ)から20キロ以上減った前走もG1で好走しているし、何も問題ない」と続けた。
コース適性にも感触をつかんでいる。左回りは香港移籍前、オーストラリアのデビュー戦(パケナム競馬場)で勝利。「とても小さな左回りコースの短距離戦でも勝ったんだ。コースの広い東京なら全く問題ない」。前々走のマイルG2では1分32秒9で首差2着。東京の高速馬場にも対応できる時計を持っている。「例年よどみないペースになる安田記念はこの馬の追い込み脚質に合う。私の感覚では安田の流れが遅くなったことなど一度もない」。同レースに延べ9度も出走させてきたサイズ師ならではの見立て。08年5番人気アルマダの2着が最高成績だが、自信ありげに言い放った。「大穴を当てたい人には、ウチの穴馬で幸運が巡ってくるかもよ」。香港からやって来たのは幸運の招き猫、いや、大虎の刺客だ。