【チャンピオンズC】パヴェル、15年ぶり外国馬Vへ日本仕様の蹄
2018年11月30日 05:30
競馬
調整法は本国流を貫いたが、日本向けの策もしっかり講じた。米国とは異質のダートに備え、削蹄のやり方を変えた。JCダート時代の05年に参戦したラヴァマンに、管理するダグ・オニール厩舎のスタッフとして同行したモラ師は、当時を振り返る。「ラヴァマンはレース(11着)後、左前肢の蹄から大量に出血していた。米国では脚が地面に着きやすいように蹄を削るが、日本の砂質には合わなかった。だから今回は日本の馬場向きの削蹄を研究してきた」。苦い経験を生かしての再チャレンジだ。
“ジャパン仕様の蹄”は上々。調教に騎乗するセデーノ助手は確かな手応えをつかんでいる。「米国も地域ごとにダートの質が違う。乗っていれば馬場を好んでいるか、嫌がっているか、すぐに分かる。今回、白井(競馬学校)、中京と走ったが馬はOKのサインだよ」。気になる点は?の問いには「1頭で寂しく調教していることかな。普段は馬に囲まれているからね。でも逆に集中できていいのかも。他の馬がいるとハイテンションだから」と豪快に笑い飛ばした。
2歳時の骨折の影響でデビューが3歳7月と遅れたが、3戦目でG3を制覇。その後も強敵相手の善戦で力を蓄え、今年6月にはデビュー1年足らずでG1初制覇(スティーブンフォスターH)を飾った素質馬。モラ師は「勝つつもりがなければ、こんなに長い距離を運んでは来ない」と締めくくった。鞍上はケンタッキーダービー2勝の名手グティエレス。決して物見遊山ではない。