伊藤正師“名より実” 個性伸ばし将来に責任を持つ
2019年01月23日 05:30
競馬
騎手時代からの長い経験に科学的なアプローチも加えた調教法からニックネームは“馬博士”。ここ数年は勢いを加速する大手法人クラブのイエスマンになれず、預託馬に苦心したが「成績が上がらない馬でもどこかにいいところがある。そこを伸ばしたい」と孤軍奮闘してきた。桜花賞を目指すレディードリーも時間をかけた調教でデビュー4戦目に初勝利を挙げた“最後の教え子”だ。
「毎日、馬の尻を追いかけるので精いっぱいだった。もっと馬の持てる力を発揮させられたのではないか…そんな思いの連続だった」。双眼鏡を目から外すと静かに笑った。
◆伊藤 正徳(いとう・まさのり)1948年(昭23)10月22日生まれ、兵庫県出身の70歳。66年に東京競馬場の尾形藤吉厩舎で騎手候補、68年騎手デビュー。騎手時代は2115戦282勝(重賞17勝)。77年日本ダービーをラッキールーラで優勝。87年に調教師免許取得。88年3月5日、東京競馬のトーヨーテイオー(11着)で初出走。同年5月15日、新潟競馬のエイコーフィバー(延べ19頭目)で初勝利。95年と96年に優秀調教師賞(関東)。JRA通算6143戦517勝、同重賞22勝。