母への思い 相棒ブラストに託す
2019年09月20日 05:30
競馬
現在35歳の八木助手は元々、競馬ゲームでこの世界を知って飛び込んだ。その際、母親からは心配されたと言う。12年に大竹厩舎に入った彼に訃報が届いたのは翌13年の10月。母がくも膜下出血で倒れると帰らぬ人となったのだ。
その18日後に新馬戦を勝ったのが母と同じ誕生日のショウナンワダチだった。同馬はデビューから連勝したが、その後、17年に引退するまでは連敗続きに終わった。そして同馬が引退すると、そのわずか2週間後には次の担当馬が新馬勝ち。それがブラストワンピースだった。
ブラストワンピースはご存じのように昨年の有馬記念を制し、今年は勇躍、凱旋門賞を目指すことになった。八木助手は日曜には帰国して、愛馬の健闘は日本から応援するという。凱旋門賞の行われる10月は先述した通り、母の亡くなった月でもある。海の向こうでの愛馬の大仕事を墓前に届けることが現在の八木助手の願いである。(フリーライター)