【天皇賞・秋】坂井、ドレッドで師匠矢作師へ恩返し
2019年10月23日 05:30
競馬
今月2日に重賞初制覇(東京盃=コパノキッキング)を果たした藤田菜七子と同期の22歳。木幡巧と菊沢を合わせ、4年目で早くも4人が重賞勝利を挙げている“花の32期生”。連絡を取り合い、互いを磨き合うが、もちろんライバルだ。「同期の活躍はうれしいが負けられない」。G1制覇一番乗りを譲る気はない。
燃える理由はそれだけではない。ドレッドノータスは師匠・矢作師の管理馬。「自厩舎で初めて重賞を勝てた。その馬でG1に出られる。恩返しがしたい」。今春は天皇賞・春(チェスナットコート)、安田記念(モズアスコット)でも自厩舎の馬でG1に挑んだ。経験は武器となる。大レースの雰囲気にのまれないのも師匠の後押しのおかげだ。
ジャッジの厳しい矢作師が「凄く工夫して頑張っている」と認める。坂井はこう言う。「常に競馬のことを考えている。他の騎手と同じことをしても追い抜くことはできない。人一倍、二倍、努力するよう心掛けている」。11歳だった08年の天皇賞・秋。ウオッカとダイワスカーレットが2センチ差の接戦を演じ、テレビ観戦で身震いした。あの死闘から11年。22歳となった坂井が令和初の天皇賞で2強に大勝負を挑む。