父と息子、同期の調教師が織りなす人間模様

2020年01月31日 05:30

競馬

父と息子、同期の調教師が織りなす人間模様
松永幹師(中央)と言葉を交わす横山典(左)を見つめる横山和(撮影・平松 さとし) Photo By 提供写真
 【競馬人生劇場・平松さとし】先週25日、土曜日の中山競馬場。この日のメインレース、アレキサンドライトSが行われた直後の脱鞍所で面白い光景が見られた。勝利したのはフィードバック。ベテラン横山典弘騎手が乗っていた。2着に敗れたのはメイショウササユリ。こちらの手綱を取ったのは横山典弘騎手の長男・横山和生騎手。脱鞍を終えた横山和騎手の視線の先には父の横山典騎手と言葉を交わしている松永幹夫調教師の姿があった。
 松永幹調教師は横山典騎手と同期で騎手となった仲。横山典騎手を愛称で「ノリちゃん」と呼ぶ彼は、調教師に転身した後「ノリちゃんに乗ってもらえるような馬を育てなければいけない」と常々語っていた。

 このアレキサンドライトSで横山和騎手が乗り2着に敗れたメイショウササユリは、その松永幹調教師の管理馬だった。前走では横山典騎手が乗っており、今回も騎乗依頼をした経緯があったため、レース後に「勝つ馬が分かっているね!」と声を掛けたのだそうだ。

 横山典騎手の手綱さばきに敗れた陣営から「この人に乗ってもらえる馬をつくらなければ…」と励む調教師と「この人を超えなければ…」と願う騎手の姿を見ることができたわけだ。

 さて、その松永幹調教師だが、その2つ前に行われた呉竹賞では管理するセランが見事に先頭でゴールを切っている。3歳戦のダート1800メートルを快勝したことで同馬はこの後、2月20日にドバイ・メイダン競馬場で行われるUAEオークスに挑戦。そこでも好走するようならアメリカへ行くプランもあるそうだ。こちらに騎乗するのは武豊騎手。松永幹夫厩舎に関わる2人の大ベテランは今年もまだまだ元気いっぱい。調教師ともども目の離せないシーズンとなることを願いたい。 (フリーライター)

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