【NHKマイルC】レシステンシア100点!鎧飾りの“鉄壁ボディー”伝説の女武者・巴御前ほうふつ

2020年05月05日 05:30

競馬

【NHKマイルC】レシステンシア100点!鎧飾りの“鉄壁ボディー”伝説の女武者・巴御前ほうふつ
<NHKマイルC>達眼・鈴木氏は厚い筋肉を誇るレシステンシアに100点満点の評価(撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 【鈴木康弘「達眼」馬体診断 】 昨年の2歳女王が伝説の女武者愛用の鎧(よろい)姿で勝ちどきを上げる。鈴木康弘元調教師(76)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第25回NHKマイルC(10日、東京)では昨年の阪神JFを制したレシステンシアに唯一の満点を付けた。達眼が捉えたのは源平合戦で勇名をとどろかせた女武者、巴御前の鎧のような体つき。5日はこどもの日。そこで有力候補の馬体を端午の節句にまつわる伝承や五月人形になぞらえながら解説する。
 平安末期、木曽義仲に従い、薙刀(なぎなた)と強弓で源平合戦を戦った伝説の女武者、巴御前。愛馬の春風にまたがった鎧姿を描いた「巴御前出陣図」が東京・上野の東京国立博物館に所蔵されています。

 義仲の菩堤(ぼだい)寺、徳音寺(長野県木曽町)に隣接した義仲資料館には巴御前の甲冑(かっちゅう)像が立っています。「色白く髪長く、容顔まことに優れたり…一人当千の兵者(つわもの)なり」と平家物語に記された巴御前は、反りの大きな薙刀で敵の猛将7騎を討ち取った怪力の持ち主。身につけていた鎧も史上最強の女武将にふさわしい重厚さと堅牢(けんろう)さを備えていたそうです。

 今日は端午の節句。この鎧飾りをNHKマイルC出走馬の体つきに例えるなら、牡馬勢に挑むレシステンシアです。女傑と呼ぶにふさわしい筋肉の厚さと強さを備えている。野太い首、分厚い肩とトモ、大きなキ甲、立派な腹袋…。前後肢に筋肉の鎧をまとっています。父ダイワメジャーの特徴をそのまま受け継いだ男勝りの筋肉マッチョ。特に発達した臀部(でんぶ)の形は15年阪神JF、16年NHKマイルCを押し切った同産駒メジャーエンブレムにそっくりです。桜花賞時そのままの張りに満ちた鹿毛は晩春の日差しを浴びて一段と輝きを増している。桜花賞のダメージどころか、さらに体調を上げています。

 立ち姿には女傑の風格が漂っています。薙刀を手にした巴御前の石像を想起させる凜(りん)としたたたずまい。ゆったりとハミを受けています。尾の先を巴御前の長い髪のように春風になびかせながら、遠くのかなたを涼しげに見つめています。その穏やかな目つきからは3歳春当時のアーモンドアイが思い出されます。レシステンシアの桜花賞ではその落ち着いた立ち姿を絶賛しましたが、今回ほどのゆとりはなかった。気性の成長を如実に伝える姿です。

 敗北は成長の糧といいます。巴御前の伝説が生まれたのは宇治川の戦いで源義経に敗れた直後。京の都から落ち延びる義仲勢がわずか7騎に減ったとき、巴は左右から襲いかかった猛将を武器も用いず、左右の二の腕で挟殺したそうです。その伝に倣うなら、レシステンシアも桜花賞の敗戦を契機に気性を成長させたのかもしれません。マイル決戦を制すのは一騎当千、男勝りの鎧武者か。(NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の76歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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