【NHKマイルC】ガーネット95点 父オルフェ譲りの“菖蒲”根性漂う目つき

2020年05月05日 05:30

競馬

【NHKマイルC】ガーネット95点 父オルフェ譲りの“菖蒲”根性漂う目つき
<NHKマイルC>力みのない立ち姿で菖蒲(しょうぶ)の葉先のような鋭い目つきのシャインガーネット Photo By スポニチ
 【鈴木康弘「達眼」馬体診断 】 端午の節句は元々女子の行事でした。田植えの5月、稲作を担った「早乙女」と呼ばれる若い女性たちが菖蒲(しょうぶ)の葉で葺(ふ)いた小屋に一晩こもり、菖蒲湯と菖蒲酒で身を清めた後に菖蒲の葉を頭に巻いて稲の豊作を祈ったのです。「五月忌(さつきいみ)」という女子の祈願行事。菖蒲は香りが強く、剣のように葉先がとがっているため魔よけとして多用されていました。尚武(しょうぶ=武を尊ぶこと)の読みにも通じることから武士が台頭した鎌倉時代以降に男子の節句へ変わったのです。
 牝馬シャインガーネットの顔立ちは菖蒲の鉢巻きを結んだ早乙女を想起させます。菖蒲の葉先のように鋭い目つき、切っ先鋭い耳の立て方。父オルフェーヴル譲りの激しい気性をのぞかせる顔つきです。向こう気の強さで苦しくなっても踏ん張ろうとするオルフェづら。いや、端午の節句にちなんで菖蒲づらと呼んだ方がいいかもしれない。ともあれ勝負根性で走るタイプの競走馬でしょう。

 筋肉量はレシステンシアに及びませんが、十分なボリューム。バランスはとてもいい。牝馬でもヒ腹が張っており、頼もしい限り。血行促進、疲労回復に効能がある菖蒲湯にでもつかっていたのか。中京遠征の疲れを感じさせない張りに満ちた馬体です。首差しは細めでもよく抜けています。右前の膝が少しかぶり気味に映りますが、許容範囲でしょう。立ち方には力みもない。前方からの微風に促されて尾を後ろへ颯爽(さっそう)となびかせています。さわやかなユニセックス(男女兼用)香水の原料にもなる花菖蒲のような気品を漂わせる立ち姿です。早乙女から武士に受け継がれた端午の節句もユニセックス。男子だけが主役ではない。勝負魂を宿す菖蒲づらの牝馬にもヒロインの資格があります。

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