【宝塚記念】ジェネシス驚がくV!史上最大6馬身差の圧倒 2着キセキ武豊も脱帽「1頭化け物がいた」
2020年06月29日 05:30
競馬
「本当に強かった。スタートが決まったことが凄く大きい。折り合える位置でリズム良く運べました。馬が強くて(自然と)位置が上がっていきました。いつも乗せてもらっていて、この手応えで直線を回ってきたら“絶対伸びてくれる”と思っていました」
好スタートを決め、サッと中団の外へ。3角から“さあ、行くわよ”と外を押し上げた。直線に向いてはや先頭。そこからぶっちぎる。グレード制導入の84年以降でレース最多のG1馬8頭がそろった一戦。強豪牡馬を脇役に押しやり、堂々と主演女優を務め上げた。斉藤崇師は進化をかみしめた。
「体重が増えていることに成長を感じます。いつも一生懸命走ってくれるし、走ることが好き。京都記念をドボドボの馬場で強い勝ち方をしていたし、直前の雨は味方してくれた。降ってきた時には“この馬にはいいな”と思いました」
馬体重464キロはデビュー以来で最高だった。これで道悪(やや重と重)は4戦全勝。「馬のバランスがいいし、脚をとられても立て直してくれます」と道悪での強さを明かす。このレースは8枠が強く、昨年までの7年で実に6勝。吉兆枠にタフな馬場。クロノジェネシスに強い勝利のベクトルが向いていた。
外国人騎手を中心に乗り替わりが頻繁に起こる時代、北村友とクロノジェネシスは新馬戦から11戦全てでコンビを組む。最終追いにも全てまたがり、丁寧にコミュニケーションを取ってきた。
「いつもずっと乗せてもらえることが当たり前ではないし、乗せてもらっていることには感謝です。その分、結果を残したいと思っています」
上半期のG1戦線は高松宮記念、大阪杯、安田記念で牝馬のワンツーが決まり宝塚記念も昨年のリスグラシューに続き牝馬の勝利。女王アーモンドアイを筆頭に「牝馬の時代」。その中心に、誰にも負けない相思相愛のコンビが加わった。今後も中距離戦線を盛り上げてくれるだろう。
◆クロノジェネシス 父バゴ 母クロノロジスト(母の父クロフネ)牝4歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績11戦6勝 総獲得賞金5億3165万8000円。