【レパードS】デュードヴァン×加藤征師、匠の半馬身先着 3頭併せでやり過ぎず集中を切らさず
2020年08月06日 05:30
競馬
「もう馬は出来上がっているからサラッとやるつもりだったけど、最後は“出ちゃった”という感じ」。納得の表情で切り出した加藤征師は“先着”の意図を説明した。「その気になると変に抑えない方がいいタイプ。自らハミを外す癖もあるので、最後まで集中を切らさないよう走らせた」
自身が手掛けた砂の強豪から得た教訓も無駄にしない。15年ユニコーンSを制したノンコノユメは、交流G1ジャパンダートダービーへと駒を進めた。見事にG1勝ちを収めたが「間隔が短くて調整にかなり苦労した」と師は振り返る。1着賞金はJDD4500万円に対しレパードS4000万円。「賞金がそれほど変わらないのなら、無理に使うことはない」。翌年、再びユニコーンSに出走(3着)させたグレンツェントは、迷わず新潟行きを選択。Vをもぎ取った。名より実。同じステップを踏むデュードヴァンも、ここ一本に絞った。「当時のグレンツェントより脚力はこちらが上。暑い中でもよく我慢して状態は安定している」。万全の態勢を整えた。
ここまでの好走は全て東京マイル。「初めての距離でひと回り(コーナー4度)。そこはやってみないと…」。課題は十分認識した上で、距離延長のメリットも強調した。「マイルの流れでも(前半3F)35秒台後半でついていけている。今回は4、5番手の好位を楽に追走できると思う」。過去11回のレパードSの前半3Fの平均通過ラップは35秒7。単なる臆測ではなく、数字の裏付けもある。道中さえスムーズに運べば、あとはフラットな直線で世代随一と言える末脚を全開させるだけ。馬名は仏語で「酒の神」。国内有数の酒どころ新潟は、ぴったりな舞台かもしれない。