【秋華賞】無敵デアリングタクト 牝馬史上初の無敗3冠!戻って来たファンの前で豪快差し切り
2020年10月19日 05:30
競馬
「ホッとしたのと、感謝の気持ちでいっぱいです。史上初となる無敗での牝馬3冠といわれてましたし正直、プレッシャーはありましたが“自分の馬が一番強い”と信じて挑んだ。達成できて、うれしいです」
スタート後は中団につけ、周りに他馬がいないところへエスコート。「思ったポジションで折り合いもついた。内回りコースなので、しっかり前を捉える位置で競馬をしようと」。前半800メートルすぎから徐々にポジションを上げ、前を射程圏に入れた。スタンドからわずかなファンが見守る前で、豪快に差し切った。
「勝利を確信したのはゴールしてから。(お客さんからの)拍手はしっかり届いていた。客席に向かって、何度もガッツポーズをしましたよ」
レース後に見せた力強いパフォーマンスは普段から想像もできない。穏やかな口調で優しい人柄だが、性格は「負けず嫌い」。17年皐月賞(アルアイン)を勝ち、平成生まれのジョッキーとして初のG1制覇を飾った。その後も勝ち星を伸ばし続け、昨年は91勝。そして、今年は秋華賞で99勝目を挙げると、最終12Rで自身初となる年間100勝の大台に到達した。
「100勝は一つの目標でした。(キャリア)12年目ですけど今日は本当、凄い日、うれしい日です」
人馬ともにメモリアルな一日になった。これからも、最高のパートナーとともに挑戦を続けていく。「こういった馬に出合えて、自分は幸せ。感謝したい」。今後は未定だが、先輩3冠牝馬のアーモンドアイや、菊花賞で無敗の3冠に挑むコントレイルとの対戦も待ち遠しい。早ければ「ジャパンC」(11月29日、東京)で実現するかもしれない。「引けは取らないと思うし、いい戦いをしてくれると思う」と松山。若き名コンビが新時代を背負っていく。
◆デアリングタクト 父エピファネイア、母デアリングバード(母の父キングカメハメハ)17年4月15日生まれ 牝3歳 栗東・杉山晴紀厩舎所属 馬主・㈱ノルマンディーサラブレッドレーシング 生産者・北海道沙流郡日高町の長谷川牧場 戦績5戦5勝 総獲得賞金3億9771万3000円。馬名の由来は父、母名よりの連想で意味は大胆な戦法。