【AJC杯】アリストテレス、迫力欠けても揺るがない能力の確信 音無師「元々動かない馬だから」
2021年01月21日 05:30
競馬
逆に貶(けな)す材料ならいくらでもある。鞍上は軽い松若(レースはルメール)。併走相手は格下のピノクル(5歳1勝クラス)。本来なら、軽くちぎって当然だがギリギリ首差だけ“先着させてもらった”のが実情。ラスト1F13秒2の数字も物足りない。
が、音無師は全く意に介さない。記者相手に軽く笑い飛ばす。
「CWは時計もかかっているようだからな。今日はわざとテンから飛ばしてやった。6F81秒台ならいいんじゃないか。それに元々動かない馬だから。動かないから、わざわざ1勝クラスの馬と併せた。ここまで3本しっかりやれたから、いいんじゃないか」
太め残りは織り込み済み。揺るぎない自信は絶対的な能力の確信から来るものだ。
「放牧に出して背が伸びて帰ってきた。見た目的にプラスになるのは当然。(前走時474キロが)レースでは80キロを切るか切らないかぐらいだろうが、全く気にしてない」
超一流のポテンシャルは菊花賞で証明済み。改めて意識するのは、この馬がまだ成長過程の途上にあるということ。“伸びしろ”は計り知れない。ルメールもこの日のインタビューで力強く意気込みを口にした。
「コントレイルと好勝負した菊花賞はいいパフォーマンスだった。先週はまだ太かったけど、今週のひと追いでパワーアップすると思う。秋は子供だったけど大人になったね。中山の2200メートルはこの馬にとって、そんなに難しいコースじゃない。何も問題ない」
たとえ完調手前でも絶対に譲らない強い自負を騎手、調教師から感じる。無敗の3冠を脅かした菊花賞はそれだけ価値があるということだ。